疑似恋愛ーAndroid1224ー最終章完結ー (ページ1)

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□Android21□ ページ1

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「マサキ、行って来るね」

いつも通り、Aを見送って…鍵を掛けた

玄関にある、おっきな鏡に写った自分をじぃっと見入る

黒いシャツに、ピタッとしたズボンは何だか体が真っ直ぐになる感じがして落ち着かない

だけど、Aは
似合うって喜んでくれたし

しょーちゃんが言ってた、"お願いをきいてあげること"って、こーゆう事だよね

頑張らなくちゃ！

もうすぐ、誰か遊びに来る時間だ

長い針が12
短い針が10

…だけど、今日は誰も来ない

「おかしいなぁ」

ちょっとベランダに出て、下を覗いてみたけど、だあれも見えなかった

「あ…、ってことは」

今日来るのが誰か、何となくわかって、オレは思わず笑ってしまった

ピンポーン！

勢い良く開けたドア

予想通りの顔があった

「マサキ、ゴメン！ちょっとバス乗り過ごしてた」

「サトシくん！久しぶりだね」

サトシくんが笑ってくれると

不思議と暖かい気持ちになった

何をするってわけじゃないけど

サトシくんといるときは
ボンヤリ過ごす

お絵かきしてるサトシくんの横で、オレは紙ヒコーキを沢山作って、飛ばして遊んでた

「黒って、珍しいね」

サトシくんが、ボソッと呟くみたいに言った

「えっ？」

「そのカッコ」

あぁ…って、シャツを掴んで、笑って言った

「Aのお願いごとなの。カッコイイでしょ！」

「……うん」

「あ、サトシくん！オレね海行ったんだよ」

海がスゴくおっきかったこと

何度も何度もやってくるのに、波がなくならないこと

空とおんなじでキレイな青色だったこと

「良かったね。楽しかった？」

「うん！すっげえ楽しかった！」

オレがおっきな声で言うと

サトシくんは、嬉しそうに笑ってくれた

「それなら…、良かった」

そう言って、オレが作った紙ヒコーキを、ヒューって飛ばした

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「今度は、空の端っこ見に行かなきゃね」

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