ｱﾊﾊ……ここどこｯ【OP】 (ページ21)

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乙女……ってナニ。ページ21

雨の中、冷えてくる

『サムッ……』

ﾌﾞﾙｯと背筋が、凍るように冷たい
まぁ、寒い。なんて流暢に考えていられる程の状況でもないんですけどね。今

重たい梶を精一杯固定する。さっきからずーっと右にぐるぐる回っていたためか、船が大きく揺れ動く

『ｷﾞｨﾔｯ乙女から出る声じゃねぇな。今の』

え？ｷﾞｨﾔｯってなにって？
そーんなん、梶が動きそうだから一生懸命止めるために出た声よｯ

『あぁー……雨も止んでくれ…ほんとに痛い』

雨が、服を濡らす。そして、傷口に入る。海に入ってる感覚に近いよ。傷をもった状態で。

そりゃ痛てぇよ……

雷も、ずっと鳴ってる。何？エネルとかいるの？そゆこと？

『てかさァァ。こんな状況で……シロはどこへ？』

重い梶を必死で、固定しながら辺りを見回すけど。どこにも動物がいる気配がしない
雷が光ってから鳴るまでだいぶ時間が経ち始めた頃、雨がだんだんと止んでいく

『通り雨……た、助かったｧ』

風も落ち着いてきて、梶を持っていた手を離す。足の力が抜け、そのまま座り込んでしまう

『・・・手イッタ！！』

手を見ると、真っ赤。そんで、ヒリヒリする
髪もグシャグシャに濡れ、服も…わーお透けてるわ…

息を付き、立ち上がる。次は滑らないよう、慎重に移動し、自室のクローゼット前まで行く

『いって…』

クローゼットを開けようとするも、手がヒリヒリと痛む。それに強い力で長時間、梶を握っていた反動か、指を真っ直ぐにする事に抵抗を感じられる

痛みを感じつつクローゼットを開けて服を確認
ちなみに、クローゼットの中の服は。私が持っていた服

『タオルタオル…』

服とタオルを用意して、その場で着替える
次に、医務室に行って濡れた包帯や絆創膏を全て貼り直す

『1人でやるから大変……てかマジでシロはどこいったねん』

本当にさっきから一度も見かけない…
医務室から出る

「やっと、出てきた」

と、シロ(鳩)に言われる

『イヤイヤイヤ。どこに言ってたねんあんた。こっちはﾀﾋにかけたわ』

そう聞くも、無視をぶちかまされ。寝ろ。と一言だけ言われた

『言われなくても寝ますわｯｯ！！』

ベッドに行く

『ふぁ〜あ……』

目を覚ますと、猫がいた

『猫じゃん。かわよぉ……こっちおいでぇ〜』

と言いながら手をバッて開くとその腕に飛び乗ってくる

『可愛いぃ〜』

なでなですると

「これで機嫌なおったか？」

あ、この猫見たことあると思ったらシロか