【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ45)

今日:9 hit、昨日:71 hit、合計:294,314 hit

42話ページ45

・

体育祭は、無事に総合優勝で終了した。

クラスの打ち上げに呼ばれたが、私はそれを渋々断り、校舎内の多目的室に向かう。

多目的室につき、窓の近くに立ち、外を眺めていた。

……思い返せば、多目的室には思い出がたくさん詰まっている。

ゾム君に呼び出しをされ、翌日にそこで補習し、さらには桃瀬君の血も吸った。

結構私、青春してるなぁとか思ってると、ガラガラっとドアが開いた音が聞こえる。

そこに視線を向けると、まだ運動着の捏島君がいた。

kn「どうしたんや？」

キョトンとしている捏島君。

私は両手を強く握りしめながら言う。

「私を……、人間に、戻してほしい。」

捏島君は案の定、口をあけてポカンとしていた。

kn「……それは、なんでや。」

何故か、捏島君は今にも悲痛をあげてしまいそうな顔をしている。

「……やっぱり、人間に戻った方がいいと思ってさ。将来のためにも。」

笑いながら答える。

正直に言うと、怖かったし心の隅で今すぐ戻らなくてもいいかなとか思ってた。

だってさ、好きでもない人にキスするのもされるのも抵抗あるでしょ？

それに、キスなんてはじめてするし、なんならファーストキスが深いのって未知の領域って感じもする。

だけど、ゾム君は私に吸血鬼だって言ってくれた。

……人に吸血鬼って言うのって結構勇気がいる。

特に初めて大に吸血鬼COしたときはずっと心臓がバクバクしていたんだ。

それに、もしも好きな人に自分は吸血鬼ですって言って、幻滅されたらトラウマでしかない。

だから、まずは人間に戻ってゾム君に謝ろう。

それに、ゾム君は私の血を欲しがっていたから。

捏島君は何も言わない。

そして、無言のまま捏島君は私に近付いてきた。

……もしかして。

私はキュッと目を瞑った。

次の瞬間、両頬に冷たいものがあたった。

……え？

目をゆっくり開けながら少し顔をあげると……

・