【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ40)

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37話ページ40

「千代ー、帰ろー」

SHRが終わり、千代の席へ小走りで向かう。

友「帰ろ帰ろー」

二人でわちゃわちゃしている廊下を抜け、校庭で談笑しながら歩いていると、あの独特な笑い声が聞こえた。

kn「アーッハッハッハッハ！！」

zm「イヒヒヒヒッッッ！！」

捏島君とゾム君がグラウンドを走り抜けている。

それを桃瀬君が追いかけていた。

tn「おら待てやッ！！はよ書類やらんかいッ！！」

……また書類さぼってる。

すると、ゾム君は後ろを急に振り返り、私と目が合う。

そのまま、ゾム君は両手でピースした。

そのとき、自分の胸がはねるのが分かった。

また、後ろにいた女子達が騒いでいるのもわかる。

『まって、今鳥井くん、目会わせてくれなかった？！』

『だよね！！しかも、ピースしてくれた…！』

『かわい～！！』

相変わらず女子に人気で、しかも断然私よりも可愛い子がゾム君のことを好きだから段々自信が無くなっていく。

勝手に心の中で一人傷付く。

……あの子達が悪い訳じゃないのに、なんで勝手に傷付いてるんだろ。

「……千代、かえろ……千代？」

千代をゆっくり見ながら言うと、千代はグラウンドを見ていた。

千代の目線の先を見ると、捏島君とゾム君、桃瀬君の鬼ごっこしている。

不思議に思いながら千代の肩をトントンっと軽く叩く。

千代はハッとしながらこちらを見た。

友「あっ、ごめんごめん。帰ろっか。」

千代は私の隣にきて、先ほどの会話の続きをしはじめる。

……いつもの千代の匂いは、華やかで、それでいて『努力』が感じられる匂いだ。

だけど、今、微かに『昔』の匂いがあったような……気がした。

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