【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ35)

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32話ページ35

「……ごめん、退くね。」

私はゆっくり桃瀬君の上から降りた。

……もし、ゾム君に桃瀬君の血を吸っているところなんて見られたら、ゾム君に私が吸血鬼だということがばれてしまう。

なんなら、さっきゾム君からの視線を感じたから近くに居るかもしれないし。

tn「……よかったら、RINE交換せえへん？」

え？

tn「いや、もしかしたらまた書類手伝ってもらう機会があるかもしれへんし、」

tn「いちいちAさんの教室行くのもAさんも困るやろ？」

焦ったように桃瀬君は言う。

「…あ、全然いいよ！」

……桃瀬君は、もしかして私が桃瀬君の血を吸おうと思っていたのを察してくれたのだろうか。

……たぶん、吸血反応が出てたんだろうな。

私達は書類を二人でまとめて、さっきの部屋に戻った。

最初、部屋には沈黙が続いたが、その数分後には前と同じように会話が続いていた。

tn「てか、Aさんも大変やなぁ。」

「いや、桃瀬君の方が大変でしょ。」

tn「まあ、お互い様やな。」

やっぱり、桃瀬君とは気軽に話せる。

何て言うんだろう…。

なんか、お兄ちゃんみたいな安心感？

そんな感じがする。

心が和んでいると、急に首に冷たいなにかが当たった。

「わッ！？」

tn「うおッ！？」

どうやら桃瀬君も冷たいなにかが当たったようだ。

後ろを振り返ると、ミルクティーを両手に持ったゾム君がいた。

zm「"二人で"何してるん？」

"二人で"のところを強調してゾム君は訊く。

「いや、書類だけど…？」

zm「…前も思ってたんやけど、なんでAもいるん？」

tn「どっかの誰かさんがサボってるからそれの尻拭いや。」

溜め息混じりに桃瀬君は答えた。

それにゾム君は顔を引き付ける。

zm「……すまんやん。」

しょぼんとした顔でゾム君がいる。

「いや、半分私が好きでやってるだけだからねッ？！」

慌てて付け足す。

ゾム君が少し考え込むと、笑顔で何かを閃いたような顔をする。

zm「Aもやるんやったら俺も書類やるぜ！」

そう言いながらゾム君は私の正面の深緑の椅子に座った。

……ゾム君の席って、絶対黄緑色の椅子だよね？

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