【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ33)

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30話ページ33

「…ん。」

ぼやーっとしながら目を開けると、大と目があった。

その大の手は、私の頭の上に置いてあるのが分かる。

「……どうしたの。」

また眠ろうと目を閉じると、大が頬をつねってきた。

「ちょ、痛い痛い！！」

案外力がこもっていたため、眠気が吹き飛んだ。

ut「いや寝るのはアカンやろ！！」

えぇ……。

上半身を起こし、親の方へ向かうとまだ寝ていた。

ut「…さっき起きたんやけど、まだ母さん達寝てるから、A先に起こそう思てな。」

……今、何時だろ。

時計を見ると、長い針は4を、短い針は10を指していた。

「……こんなに遅く起きたの、はじめてかも。」

ut「え、まじ？僕休日は2時に起きてるで」

いや、遅すぎでしょ。

友「あ、Aお帰りー」

「ただいまー」

友「ねーねー、鬱島と何してたの？」

「え？」

翌週の学校で、千代におはようを言われたすぐに、大の名前が出る。

「いや、なんで？」

私、千代に大と出掛けるって言ってない…よね？

友「いや、Aと鬱島って、木曜も金曜に二人同時で休んだでしょ？」

友「私も偶々二人一斉に休んだからびっくりしたんだけど、木曜に鳥井の口から『A』って出てきてさ～」

……え、なんでゾム君の口から私？

「え、どーゆー経緯でゾム君が『A』って言ったの？」

友「帰り道に、鳥井が鬱島からメール送られてきたらしくて、そのメールの内容見てポロっと『A』って言った感じだった。」

友「ポロっと言ったから私と捏島…捏島は鳥井と一緒に帰ってて、その二人だけにしか聞こえてなかったと思うよ。」

友「なんか、ずっと鳥井不機嫌だったよ？金曜もずっと。」

ノンストップで話してくれた千代の話の意味が分かった。

多分だけど、大がその時間にゾム君に写真を送ったんだと思う。

…自意識過剰だけど、その写真は私がパンケーキ食べてたときの写真だと思う。ほんとに多分。

んで、ゾム君は私と大が一緒にいること知らなかったから驚いて、それで……嫉妬、したんじゃないかな？

私がゾム君だったら嫉妬する。

そりゃあ、自分が告白した相手が異性と旅行に行ってるから……。

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