【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ22)

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20話ページ22

tn「じゃあとりまここに座ってもらっても平気？」

「ありがとう。……失礼します」

桃瀬君の椅子に座ると、より書類の数が多く見えた。

tn「えーっと、じゃあこれやってもらってええ？」

桃瀬君が差し出したのは部費の予算のプリントの束だった。

計算だったら出来るな…。

「分かった。ここに書き込めばいいの？」

tn「そうそう。じゃあワイ隣でやってるから分からないとこあったら聞いてな。」

「うん。」

桃瀬君は隣の茶色の椅子に座って書類の確認をし始める。

私の今する作業は計算すれば出来るため、案外楽に終わった。

桃瀬君も私が思ったより早く終わるとは思わなかったらしく、びっくりしていた。

tn「はえー…。Aさんって仕事出来る人間やったん？」

「ちょ、計算だったら出来ますー」

ちょっと片頬を膨らませて言うと、桃瀬君は笑いながら次の書類を渡してきた。

これもさっきと同じような計算する作業だけど、量がさっきの5倍位になっていた。

いつもこれぐらいの量を毎日こなしてるなんて…

…これからは桃瀬君のことリスペクトしよ。

流石にそろそろ飽きるとか思ってたけど、桃瀬君との会話が面白くて中々飽きなかった。

…初対面でこんなに話せたの初めてかも知れないな。

あれから2時間位、2人がかりでようやく書類が全て終わった。

tn「久し振りに俺の机の上、綺麗になったわ…。ほんまありがとうな。」

「こんなんでいいんだったらまた手伝うよ。」

tn「…生徒会入らん？」

「むり」

下駄箱で二人で会話を弾ませながら靴を履き替えていると、声が聞こえた。

zm「…トントンとAさん、いつの間に仲いいんや？」

tn「うお、ゾム…。驚かせんなや」

…え、鳥井君？

フードがあるのでよく分からないが、鳥井君の機嫌が悪いことが何となく分かる。

tn「てか何で居ったのに出てこおへんかったんや？」

え、鳥井君いたの？

何も分からず会話に着いていけない。

zm「だって、生徒会室にゲーム取りに行ったときなんか二人で仲良さそうにしてたら声掛けられへんやん。」

鳥井君が横を見ながら呟く。

可愛い。

てか、私達が仲良さそうにしてたから今不機嫌って、嫉妬してたのかな…？

だとしたらもっと可愛い。

ちらっと桃瀬君を見ると顔が青ざめていた。

…え、どうしたの？

tn「…俺、ちょい急用思い出したから先帰るわ。ゾム、Aのこと送っといてな。」

桃瀬君がそう言うと走っていった。

…嫌な予感。