【zm】吸血鬼ってマ？ (ページ2)

今日:18 hit、昨日:71 hit、合計:294,323 hit

1話ページ2

(今日も、平和だったな…)

19時、自室のいすに座り、窓を見ながらそう思った。

AA。現役JK2年目。

進路についてはこれといって決まっていない、
運動も勉強も平均以上得意未満の平凡な人。

ただ、他の人とは違ったところがある。

それは…

ut「そういえば…。今日やったよな？」

「うん。じゃ、……いくよ？」

私は椅子から立ち上がり、自室のカーペットに座っている幼馴染みの大の目の前に座り、大の首に手を添えた。

そのまま大の首にかみついた。

ut「いっ……！？…………んっ……。」

やっぱり、大の血はとろっとしてて、甘いな…。
ずっと吸ってても飽きなさそう。

……そう。私は吸血鬼だ。

ちなみに、『吸血鬼』というのは大にしか言っていない。

中学生のときに、確か『くらら』と名乗る仮面を着けた男の人が私に注射器をさしてきて…。

その後は、吸血鬼についての説明書を貰って…。

その『くらら』っていう人のことを探してるんだけど、中々見つからない。

警察に相談したいけど、家族に私が吸血鬼って知らせるのは迷惑をかけてしまうかもしれないから気が引けるし…。

まぁ、だから私の家族はフツーの人。

そう頭の中で整理してると、私のナカでなにか満たされていくのがわかった。

…そろそろ終わるか。

私は大の首から離れて、噛み跡を舌でなぞる。

ut「はあッ……。……もう終わりなん？」

大が肩を上下させながら問う。

「うん。ありがと、大。」

ut「…そか。ほな、帰るわ。じゃあまた明日、学校でな。」

「ん。バイバイ。」

大を自室のドアまで見送ったあと、力が抜けてきた。

やっぱり、緊張するなぁ…。

あの大の顔を思い出しながらだんだん自分の顔も赤くなっていくのが分かった。

…私の場合は異性の血しか飲めないって、くららさんに言われたから、一週間に一回、大の血とフツーの食事をして生活している。

別に嫌じゃない。

ただ、大の血がすこーしずつ減っていくのが分かる。

……これでも、大に吸血鬼に血を吸われる人用の栄養剤、飲んでって言ってるんだけどな。

話はちょっと変わるけど、吸血鬼に血を吸われると、噛み口から人間が快楽を味わう液が体内に入るらしい。

……だからか、大はよく血を飲んでいいよと、私に言ってくる。

勿論、大の体も心配だから大体は断ってるんだけどね……。

私は机の前の椅子に座り、宿題を始めた。

※『くらら』というのは打ち間違えではありたせん。