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もしも認めてくれるなら ページ5

「族長が、ルスキニアに用があるって」
「父さんが……?」
ジゼルは驚きを隠せない様だった
重かった空気はさらに重くなり、さらには嫌な予感もしてきた
逃げてくる場所を間違えたか!?
そんな考えが脳裏を過ってしまった
しかしこんな所で逃げてしまえば、本当にルスキニアは人を信用しなくなってしまう
このまま他国に逃げても大多数を占める反ルスキニア派に殺されるし、アデス連邦には絶対に逃げてはいけないだろう
アウグスタは大層お喜びになられるだろうが
取り敢えず今のままではいけない
「えっと…総統じゃなかった、ルスキニア」
私みたいなばかの意見に乗ってくれるかは分からないけれど
「どうした、A」
よし!後は思いついた事を語ればなんとか話し合いだけはしてくれるかもしれない
「…ここの族長さんが話があるってことは、何か私達に対して意見等があるのかもしれません。ここの方々の人柄を考えると、不意打ちで殺される可能性も低いかと」
ファムがちょっとアンタ!と言って何か言おうとしたが、私はそれを遮り
「何よりも、話し合いを通じて私達に有利な条件を得られる可能性があります」
私の意見に対してルスキニアは表情を変えず、淡々とした調子で
「なるほどな、ならば俺が話し合いをして具体的にどんな有利な条件を得られる可能性がある?」
「それは…………」
ヤバイ、何一つ考えてなかった
滞在権利?そんなものをルスキニアは望んでいない多分だけど
じゃあ…逃げる先?失礼だけど彼らがそんなものを持っているとは思えない
ならば、匿ってくれるとか?いや待て私達は別に追われる身じゃない
それなら、考えろ、考えるんだAーー!
けど、いつまで経っても何も言わない私に呆れたのかルスキニアはため息をつき
「考え方が甘い、具体的にどうなるかまで話せないのならば人に意見するなんて不可能だ」
「申し訳ありません…」
どうしたら良いのか分からなくて頭を下げる私をルスキニアは一瞥をすると、フリッツに
「ところで族長はどこにいる?」
今までの会話からは予測出来そうにない質問に対しフリッツは驚きを隠せないまま
「えーっと、あそこなんて言えば伝わるのかなー?うーん…案内するんでついてきて下さい」
フリッツが歩き始め、ルスキニアがそれに続く
丁度ファム達の家を出る時に
「A、お前の意見を採用する」
そう言われた
「ありがとうございます!」
少しでも、事が良い方へ向く事を願うばかりだ

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設定タグ:LastExile銀翼のファム , ルスキニア・ハーフェズ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:スエン=ナンナ | 作成日時:2020年2月1日 21時

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