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sideふみろく
現時刻朝の4:00。ちなみに今日は俺の誕生日。イベントで一通り皆に祝われて帰ってきました。
でもまぁ、1番祝って欲しい愛しの彼女さんはとっくの昔に夢の中なわけで。
俺がイベントに行く前に一応祝ってはくれたけど、ちょっと怒ってたもんな…
誕生日の日にイベントが入ってるって言った時の彼女の悲しそうで、少し怒りの含んだ顔を思い出した。
そりゃ俺だってめいと誕生日迎えたいし、1番におめでとうとか言って欲しいけど仕事だから…と苦しい言い訳を言うと「…分かってるよ」って無理やり口角を上げて笑われた。
あんなめいの顔は見たくない。喜びの笑顔だけ見たい。
まだわがまま言うとその笑顔にさせるのは俺の役目がいい。
だから、俺は…
ポケットの上から小さな箱を撫でる。前々からずっと温めておいた代物だ。
今日酒をセーブしたのも、早めに切り上げさせてもらって帰ってきたのもこれの為。
ドアの前で1人、深く深呼吸してドアノブに手をかけた。
「……ただいまー…」
まるで泥棒のようにこっそりとドアを開け、家に入る。
寝室を横切り、リビングへ直行しようとリビングへ続く扉に視線を移すと俺は目を疑った。
「(明かりが付いてる…?)」
今日は早起きする予定は無かったはずだし、めいがこんな遅い時間まで起きているとは考えにくい。
色々な考えを頭に張り巡らしながら恐る恐るドアを開けた。
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年11月15日 17時