橙の彼と ページ9
ぶすーっと頬を膨らませ、意地でもふみさんと目を合わせないようにしているとふみさんは焦ったように声を掛けてきた。
その声は少し不安そうにも聞こえた。
ふ「めいさーん…」
『…』
ふ「なんでそんなに機嫌が悪いのかな…?」
『……ふみさんが、』
ふ「俺が?」
『逆ナンされてた…』
ふ「あぁ、そんなこと…気にすんなよ」
そんなこと…!?
何それ…!
さっき見かけたふみさんと女の人のツーショットが頭をよぎり、下唇を噛み締めた。
モデルさんみたいなスタイル、顔も美人で大人っぽくて。
ちっさくて幼児体型な私とは真反対。
…私は何をどう頑張っても超えられない。
その光景がいつかふみさんを他の誰かに奪われてしまうんじゃないかと不安を煽った。
私だって不安なんだよ。ねぇ、ふみさん。
最近会えてなくてずっとずっと寂しかったんだよ。
『そんなことじゃないよ!ばか!』
『私が…!私がどれだけ、』
言い切る前に自分の目から涙が落ちてくるのが分かった。
自分が思っていた以上にダメージを受けていたみたいだ。次から次へと涙がこぼれ落ちてくる。
『(せっかく、お祭り来られたのに…)』
最近お互い忙しく休みが被ってお祭りに来れただけで運が良いのに、泣いてそれすらも台無し。
涙は拭えど拭えど目から溢れてくる。
グズグズと私のすすり泣く声と共にふみさんが息を呑む音が聞こえた。
そっと肩に触れられたが、それすらにも嫌悪感を感じて身体を揺らす。
『…ごめんなさい…』
ふ「…めいっ!」
これ以上顔を見てると罪悪感で押し潰されそうな気がして、足は自然とふみさんから逃げるように駆け出していた。
ふみさんに腕を掴まれたけど、精一杯の力を出してふり払う。
『(やめて。こんな私に触らないで)』
一生懸命人混みに紛れようと動きにくい浴衣で必死に走った。
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E.W.(プロフ) - しげっち。さん» ワカリミガフカイ (2018年9月9日 18時) (レス) id: ff6b70e794 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - E.W.さん» コメありがとうございます!ほんと自分で望んで入学したのにもう嫌になってます(´;ω;`)課題も多いし授業もあるしで更新出来ないし...言い訳になっちゃいますけどね...ww (2018年9月9日 17時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
E.W.(プロフ) - 自称進学校って本当に嫌になりますよね。わかりますっ!!周りと比べたらここの学校はなんでもないんだよ!って言いたくなることが多いです((いきなりすみません(´・ω・`) (2018年9月9日 15時) (レス) id: ff6b70e794 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - やみうさぎさん» コメありがとうございます!まさとくんクソほどかわいいですよね...喜んでいただけて良かったです!更新頑張ります◎ (2018年9月9日 14時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
やみうさぎ(プロフ) - いやまさとくん可愛すぎな…めっちゃ良かったです(*´艸`)更新ファイトです! (2018年9月9日 10時) (レス) id: 8f3c58b972 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年8月24日 23時