【アナタシア】夏 祭 り【短編集】

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『ふみさん可愛い女の子好きだし、えっちぃ女の子がタイプなのに私は可愛くもないし魅力的な身体してないし…』


自信が一気になくなってだんだん声が小さくなり最後には声も出なくなる。

そんな私を見てふみさんはひとつため息をついた。


ふ「あのさ、俺本当に好きな子は見た目で決めたりしないから。それにめいは十分可愛くてイイ身体してるけど」


そう言いながらするりと私の腰を撫でる。


片手は頬に、もう片方は腰と完全に逃げられないような体勢に。

まぁ逃げる気はないけれど。

耐性が無いからか優しく撫でられるたびにびくっと身体が反応してしまう。

やめて、と言いそうになったけどあまりにもふみさんが優しい目で私を見据えるから声すらも出ない。


ふ「なんていうか、好きになった人がタイプってやつ？顔も性格もめいだから好きなんだよ。」


「わかった？」と私を見つめるふみさんに縦に首を振った。

そんな私を見てふみさんは安心したように微笑んだ。


ふ「どうする？このまま祭り行く？」

『…メイク崩れちゃったから行きたくない』


ちらりとふみさんを見上げ、ねだるように浴衣の裾を握る。

せっかく来たけどこのままじゃ回れないよ…どうしよう…


ふ「…ほんっとお前かわいいなぁもう！」

『な、何急に…』

ふ「でも、このまま帰るのもなんだし…俺んち、来る？」

『…カナタさんに迷惑かかる』

ふ「カナタは泊まりで地方行ってて今いねーよ」

『でも浴衣着たままじゃさすがに』

ふ「俺の服貸してあげるから。それとも俺の服着るのいや？」

『…そういう訳じゃないけど…』


咄嗟に用意した言い訳は儚く論破されてしまった。

だって、こんな時間に家に行くってことは泊まり確定なわけで。

彼氏いない歴=年齢、ふみさんと付き合ってからもそういうことをしたことがない私にとってはかなりハードルが高い。


『(別に嫌じゃないんだけど、怖いというか…)』

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