【アナタシア】キスの意味【短編集】

恋慕 ページ5

その話が出たのはお昼休憩中、友達と一緒にランチをしている時だった


『うおお、彼氏と会いたいよおおお』

友「お、おう…とりあえず落ち着けや…」


若干引き気味の友達から差し出された水を一気に飲み干した

私、めいは彼氏である芝健と遠距離恋愛中

彼は人気ダンスグループのアナタシアのメンバーとして活動している

一方私は、彼のようにダンスも特に踊れないし、特技もないごくごく普通のOLだ

そんな私と人気者の彼だからもちろん会える日にちも、連絡を取り合う回数も少なくて

正直すごく寂しいけど、我慢しないと

彼女が彼氏を応援するのは当たり前でしょ？

毎日のようにベッドの中でそう自分に言い聞かせている


でも、でも…


『会いたいよ…』


ピコンッ


『…LINE来てるよーリア充』

友「リア充じゃないわ。てか、私じゃないし。めいのじゃない？」

『なぬ！』

もしかして、って思ってスマホのロック画面を覗くと

【芝健：来週の日曜日1日オフなんだけど久しぶりに会わない？】

通知を見た友達はバンバンと肩を叩く


友「良かったじゃーん！リア充め！やっと会えるね」

『う、うん…』

友「どーしたのさ。嬉しくないの？」

『いや、せっかくの休み私の為なんかに使っていいのかなって…』


毎日が多忙で私よりも何百倍も疲れが溜まってるであろう人だ

オフがあれば1日丸々休みたいって思うはずなのに私なんかでその休み潰れさせていいのかな…


友「バカめい！！」

『は、、なにがバカだ！！』

友「彼氏なら自分の休みを無くしてまで彼女に会いたいって思うのが普通でしょうが！誘われてんだから行け！」

『くっ…わかりました…』

友「うむ。それでいい。オシャレして行きなさいよ」


じゃそろそろ休憩終わるからまたね〜と颯爽と去っていった友達

今なんか私めちゃくちゃ怒られなかった？

普通あんなに怒ります！？

そう思いつつ、健とのトーク画面を開く


【やった！楽しみ(ﾉ´³`)ﾉ♡】


気持ちをそのまま、いやちょっと抑えて返信した

やば、顔がにやける

ゆるゆるの口を隠そうともしないでいるとすぐさま既読がつき


【俺もめっちゃ楽しみ(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))】


と返信がきた


『かわいい…』


会うのも久しぶりだから…楽しみだな



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芝「見て！楽しみだって！」

まり「はいはい良かったね｣

芝「はぁ…もう今から会いに行っちゃおうかな…」

まり「仕事しろやクソリーダー」

芝「お口が悪いぞまりん！！」

→→←祝福

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