【アナタシア】キスの意味【短編集】

欲求 ページ28

まりんside


後ろには冷たいフローリングの感覚。
上には顔を赤く染めた彼女の姿。恐らく顔が赤いのは酒のせいだろう。
分かる通り、俺は彼女に押し倒されてる。


ってか、なんで俺は押し倒されてるわけ…？

さっきまで普通に2人でお酒飲んどったやん。

普通に金ローでハウ○の動く城見て「指輪光ってる！！」って興奮し合っとったやん。



まり「あの、めいさん？」

『…なに』

まり「何かあったん？」

『……んで』

まり「ん？」



声が聞き取れなくて聞き返すと、彼女はキッとこちらを睨みつけて立ち上がった。
その目には涙が浮かんでいるようにも見える。

突然すぎる行動に思わずびくっと肩が揺れた。


『なんで！なんですぐTwitterなの！』

まり「…は？」

『なんで彼女との感動をすぐ他の人と共有しようとするの！！！そんなにファンの子から反応が欲しいか！！！』

まり「めいっ、落ち着いて」

『なんでだよぉ…ぜんぶ、ぜんぶ、ついったーだ…私が知ってることファンの子だいたい知ってる…私しか知らないもの…ない…』


酒が回ってるからかフラフラと身体から力が抜けて近くにあったソファーに座り込んだ。

彼女がこんなに自分を取り乱す事なんて無かった。

それを見れたのも少し嬉しいし、なんせその原因がファンの子への嫉妬だから可愛くて仕方ない。


まり「めい」

『…なに』

まり「本当に俺はめいにだけ見せてる顔がないと思っとる？」

『だってそうじゃん』



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更新遅れてすみません。
もうそろそろこの短編集も終わりです

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