【アナタシア】キスの意味【短編集】

愛玩 ページ24

※夢主方言※
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ふみろくside

俺の彼女はかわいい。とにかくかわいい。

毎秒、どの瞬間を切り取ってもかわいい。


甘い物食べてニコニコ笑っているのも

映画の予告を見ただけで泣いちゃうのも

たった今、目の前でキラキラした目で水槽を覗いているのも超かわいい。


『ふみくん！この魚めっちゃちっちゃい！』

ふ「ほんとだ。クソちっちぇー…かわいいな」

『うん…かわええ…』


張り付くように水槽を見ている男の子の隣で同じように魚を見ているめい。

なんというか、シルエットがすごく似てる…w

にやけそうな口を抑えながら見ていると男の子からの視線に気づく。


ふ「……どうした少年」

子「おにーちゃん、このお姉ちゃんのことが好きなの？」

ふ「『えっ』」

子「ずっと見てるんだもん。好きなの？」

『そ、それはね「好きだよ」』


めいが慌てて言葉を並べようとしていた所を遮って、少年に教えてあげた。


ふ「超好きなんだよね。結婚したいくらい好き」

『え、え、』


あわあわしているめいの頭をポンポンと撫でる。

水槽の明かりで真っ赤になってるめいの顔が見えて笑ってしまった。


子「へぇ、じゃあお兄ちゃんの片思いなんだね！頑張って！」

ふ「なんだとこら、っておい！」


言うだけ言って人混みの中へ紛れて行ってしまった。

今のは聞き捨てなんねぇぞクソガキが…

なんて心の中で毒づいているとシャツがクイッと引っ張られる感覚がした。

めいの顔を覗くと少し不安そうな顔をしていた。


『ふみくん、顔怖いよ』

ふ「ん？あぁ、ごめんな」

『…やから』


何かめいが言った気がしたが、周りが騒がしくて上手く聞き取れない。


ふ「なに？」

『っ、私も好きやから！ちゃんとふみくんの事大好きやから！』

『…それだけ』


行こっと言い、俺の手を引いて先へ進もうとするめいを自分の方へ引き寄せ、上手いこと隅の方へ移動する。


水槽の明かりが無くなっても分かるくらいめいの顔は真っ赤だ。


ほら、かわいいだろ？


ふ「なんでそんなにかわいいこと言うの」

『…可愛くないし』

ふ「十分可愛いけど。これ以上可愛いのある？ってくらい可愛いけど」

『大袈裟すぎん？』

ふ「いや、そんくらい可愛い」


あっそ、とそっぽを向くめいを今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られたが、流石に公共の場なのでやめておく。


その代わり、腕を掴んでいた手をめいの手に絡めた。


ふ「(暗いし、これくらいはいいだろ。)」

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