思慕 ページ16
芝健side
俺には妹がいる。
まだ大学生だが、この春結婚することになった。
そして今日はその2人の結婚式だ。
相手はめいと同級生の好青年って感じの男の子で心配することは何も無い。
でもただ一つ、この結婚式において心配なのは…
芝「(なんで俺がめいと一緒にバージンロード歩かなきゃいけないんだよ…!)」
父親の役目だろ…!とか思ったが、直々に本人から『お兄ちゃんと歩きたい!』と希望が出た。
それじゃあ父親が可哀想なので説得したものの、どうしてもと聞く耳を持たなかった。
あんなワガママ言うような子じゃないんだけどなぁ…
『お兄ちゃん?もうすぐだよ?』
芝「あぁ、分かってるよ」
『絶対コケたりしないでよね!』
芝「流石にそんな失敗しないよww」
目の前には白いドレスに身を包んだ妹
そして今自分はそんな妹と並んで、ピシッとした正装を着て誓いの場へと続く扉の前に立っている。
ここまで来るのに色んなことがあったな、なんてありがちな思い出し方をするけどもう涙が出てきそうだからやめた。
『お兄ちゃん、』
芝「なに?」
『今までありがとう。私、素敵なお嫁さんになれるように頑張るね』
どうしても2人の時に言いたかったの、と照れ笑うめい。
だからこの役目を俺にしたのか
芝「大丈夫。めいなら絶対いいお嫁さんになれるよ。」
そう言いながら肩まで伸びためいの髪の毛を一束すくい、そっと口付けた。
『何気取ったことしてんのw』
芝「いいでしょ、こんな時くらいしかすることないんだから」
『それもそうだね。あ、そろそろみたいだよ』
扉の向こうから軽快な音楽が聞こえる。
これも妹達が自分達で考えた企画らしい。
芝「じゃあ…」
めいと腕を組む。腕を組むなんて久しぶりだ。
『ふふ、お兄ちゃん緊張してる』
芝「当たり前だろ、こんな人前に出るんだから」
『いつも出てるようなもんじゃない!ほら!笑顔!』
にぃーって自分の頬を指で押し上げるめいに思わず笑うと「そう!それでよし!」とめいも微笑んだ。
式場の人が扉を開ける。
ゆっくりと歩き出すと周りから拍手が起きて紙吹雪まで飛んでいる。
それら全てがスローモーションのようになってとても綺麗。
新郎の前まで来るとめいはこちらを振り向いた。
『私、いいお嫁さんになるね』
芝「ん…お前なら大丈夫だよ」
お前は俺の自慢の妹だから────
髪へのキス【思慕】
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芝健さんの妹になりたい人生だった
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はた - さいこうでした!! (2019年12月27日 1時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» コメありがとうございます!可愛いですよね...まりんくんの関西弁もめちゃくちゃ好きなんですけどまさとくんのも萌えますね… (2018年10月14日 10時) (レス) id: c12db644f8 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - わかります…私女子ですけど可愛い博多弁女子には惚れそうです…博多弁女子と結婚したい( ˙-˙ )芝健の方言とか聞いてみたい…まさと君の方言可愛いですよね! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» ご無事で何よりです...(´;ω;`)スマホは困りますね...でもセリフに笑っちゃいましたww (2018年9月12日 22時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - しげっち。さん» 北海道は大体大丈夫ですよ!停電したとき一番心配したのは…『スマホぉぉぉぉ!!!おい!スマホ!?』くらいかな…(´・∀・`) (2018年9月12日 21時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年8月12日 23時