83 センラside ページ9
会計を済ましてお店を出て歩き出せば
服が少し引っ張られている感覚を覚え
見てみればAが裾を掴んでいた
きっとはぐれないためなんだろうなーと思いながら
Aの手をギュっと握る
柔らかくて女の子の手で
もう何から何まで成長していて胸の鼓動は収まらない
握った瞬間に少しピクっとなったのがまた可愛くて
そのせいでまた鼓動は早くなる
傍から見れば恋人同士
でも俺らはただの幼馴染で幼馴染という壁はとても厚くて
もどかしくなってしまう
恋人になればこんな事は堂々とできてしまうんにな。
そう思ってもどうしても幼馴染という壁を壊したくなくて
なかなか1歩を踏み出せないでいる
いつか好きやって伝えれるようになればええんにな。
そんなボソッと小声で呟いた言葉は
街の騒がしい音にかき消され
どんどんとスタジオが近づく
『もうすぐだね…。』
セ「せやな。あ、皆驚かせん？笑」
『へ？』
セ「俺の後ろに隠れてな？
俺が紹介したい奴がおんねん！って言って
出てくるみたいな？笑」
Aは目をまん丸にしてて
俺の咄嗟な思いつきだから思考が追いついていないのだろう
それでも少しするとパアっと効果音がつきそうな顔で
『ドッキリっていうんだけ？
やってみたいかも…！』
セ「よし！！んなら作戦決行やな！！」
『うん！』
今までのAなら拒否をすると思っていたから
賛成をしてくれて、変わってきてるんやなって
嬉しい気持ちと寂しい気持ちとが混ざり合う
そのあと二人で色々話して
スタジオに着き指定された場所に足を運ぶ
足を運ぶにつれいつもはならないのに
足が重くなっていって
それはAも一緒だったようで
俺の手を握る力がだんだんと強くなっていく
そして目的地の扉の前に着く
Aと目を合わせて1つ息を吸い
ドアノブに手をかける
少し重たい扉の隙間から光がだんだんとこちらを差す
謎の緊張感に襲われつつ
いつものように挨拶をする
「急に集まってもらってすんません！！」
そう声を出せば口々に言葉を発し出す
心の中では
あぁどんな反応するんやろうな〜
と笑みを浮かべている俺
「まぁ落ち着いてくださいよw
紹介したい奴がいましてですね！
連れてきたんで紹介しますね〜！
出てきてええで〜！」
皆の方を向いて言えば
後ろからひょこっと顔出すA
皆の反応はというと案の定といった表情だった
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるや x他1人 | 作成日時：2018年1月12日 20時
