80 センラside ページ6
嬉しくてつい気にしていなかったが
我に帰れば駅ビルのど真ん中で相当目立っていた
少し頬を赤らめているAに
どっか店入ろっかと声をかけ
うん!と返事が返ってきたので近場の店に入り背につく
話すことと言えばやはりこの10年間のことだろう。
『泉は、ずっと東京いたの?』
「仕事場が名古屋だったから名古屋おったよ
今は本部に移ってこっちに住んどるんやけどね笑」
『あ、だから見つからなかったんだ…!』
「え?」
見つからなかったとはどういうことだろうか
もしかしてずっと前にもう帰ってきていたんやろうか
そんな思考を巡らしていると
『2週間前かな。帰って来たの。』
「え、」
2週間前とは俺がこっちに移ってきた時だ
まさか最近帰ってきたとは
『帰ってきたというよりは、記憶を思い出した…
みたいな感じかな。
もちろんこの体で生きてて泉と同じくらいの年だけど
Aとして記憶が蘇ったのは2週間前だった』
「そうやったんやな。俺も2週間前にこっちに
戻ってきたから会っとったんかもしれんね
俺バタバタして今日やって突然休みもらえて」
そうほんとに急な休みだった
もしかして、
『「その人/係長が
私たち/俺たちを
巡り合わせた?」』
思わず被りまさかの同じことを考えていて
吹き出してしまった
ふと感じる
この感じが欲しかったんやなぁって
『でも、良かったよ
ちゃんと会えたもん…!』
少しうつむき加減で
話すA
「ほんまやね。俺やって会いたかったよ」
ずっと待ってたから
ずっと君しか見てなかったから
やっぱり君が好きです
絶対にもう離したりしないから。
そう固く決意した
*
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作者名:はるや x他1人 | 作成日時:2018年1月12日 20時