ねじれの位置が280つ ページ42
「敵を憎み、蔑み、陥れる強さは限界がある。君達程度の敵にすら手こずる程だ。
A組は高校に進んでからも僕の手駒だ。
偏った強さの手駒では僕を支える事は出来ないんだ」
浅野は自分の唇と二酸化炭素を使って確かにそう言った。彼らしい物言いだが、彼らしく無いお願いにE組一同驚愕する。
「時として敗北は、人の目を覚まさせる。
だからどうか、正しい敗北を僕の仲間と父親に」
敢えて傲慢な本心を隠さないのはきっと本心で話している事を示したいからだ。プライドの塊であり浅野が私達に頭を下げている。
本気で、他人の事を気遣っているらしい。
私は悠馬のブレザーの袖を握った。
「え、他人の心配してる場合？
1位取るの君じゃなくて俺なんだけど」
「え、私も取る気満々だよ」
煽り始めたカルマを見て私も悠馬の後ろから野次を飛ばす。渚が呆れた顔をする。此奴らまたやってる。
浅野も青筋を立てて怒りを示していた。
「言ったじゃん、次はE組全員容赦しないって。
1位は俺で、その下が小野寺ちゃん。その下もE組、浅野君は10番辺りが良い所だね」
「お〜カルマが遂に1位宣言」
「1学期期末と同じ結果はごめんだけどね」
「今度は俺にも負けんじゃねーのかえぇ！？」
「だから私も1位取る気満々だってば」
「A分かったから落ち着け」
陽斗に言われて口を噤む。噤み過ぎなのでは無いかという程尖らせる。カルマに至っては煽って来た寺坂を永遠と殴ってる。
「浅野、今までだって本気で勝ちに行ってたし、今回だって勝ちに行く。いつも俺等とそうして来ただろ」
悠馬は私の手を緩やかに離して1歩前に出た。
「勝ったら嬉しくて、負けたら悔しい。そんでその後は格付けとか無し。もうそろそろそれで良いじゃんか。
此奴等と戦えて良かった…って、お前等が感じてくれるよう頑張るからさ」
段々と悠馬の元に集まって来るE組生徒。私もそれに合わせて彼の驚いた顔を見つめた。
「余計な事考えて無いでさ、殺す気で来なよ。
それが1番楽しいよ」
カルマは自分の首を切ってそう言った。此処で殺すという言葉を使ったのは相手に合わせたのか、それとも私達に合わせたのか。
「面白い、ならば僕も本気でやらせて貰う」
そう言って笑った浅野はいつになく楽しそうだった。勝者の余裕を見せ付ける背中に怯むE組ももう此処には居ない。
私達の運なんて、彼と同じ学年で進学した時から尽きているのだ。
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詩季(プロフ) - レイカさん» ありがとうございます〜！普段は誤字の訂正にレスはしないのですが、これはちょっと面白かったのでレスしてしまいました。浅野君…学年最下位にっ…！笑笑 (2020年3月20日 22時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 浅野くんの点数が197点になってます！ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 中間、誤字ってます (2020年3月18日 19時) (レス) id: 83190f504a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月14日 19時
