ねじれの位置が279つ ページ41
浅野の震える拳を見ていつもと違う事に気付いた。顔だけ出して彼の様子をじっと見つめる。
「小野寺はいつになったらA組に戻って来るんだ？」
「……」
それだけ冗談が言えるならまだ元気なのだろう。陽斗や他の奴等は意味が分からないという顔をして此方を見て来た。そういえば、先生達にしかE組に来た理由を言ってなかった気がする。
「もう十分だろ」
「人違いです」
「それだけ冗談を言えれば十分だと言っている」
私は悠馬の後ろから出て来て数秒地面を見つめる。それからしっかりと彼を睨み付ける。
「A組には行かないって何回も言ってる」
「聞き入れないと何回も言っている」
「アンタの耳の悪さなんて知らない」
フン、と鼻を鳴らすと浅野は諦めたのか溜め息を付いた。
「今日お前らを待っていたのはそれじゃない」
なら話し掛けないで欲しい。事あるごとに私に牙を剥かないで欲しい。
「単刀直入に言う。あの怪物を君達に殺して欲しい」
怪物と称されたのはきっとうちの超生物では無くそれとタメを張る非常識人だろう。
突如浅野から舞い込んだのは浅野理事長の暗殺依頼。私達は驚きを隠せなかった。
「勿論、物理的に殺して欲しい訳じゃない。殺して欲しいのは彼奴の教育方針だ」
彼は3年E組の秘密を知らない筈なのに、私達の身近にある言葉を使って来る。
「教育方針って…どうやって？」
とーかはわざと知らないフリをして浅野に尋ねた。
「簡単な話だ、次の期末でE組に上位を独占して欲しい。
勿論1位は僕になるが優秀な生徒が優秀な成績でも意味が無い。君達の様なゴミ屑がA組を上回ってこそ理事長の教育をぶち壊せる」
どうして、なんて考えても意味が無い。私は只じっと彼を見つめる。
「浅野君、君と理事長の乾いた関係はよく耳にする。ひょっとして…お父さんのやり方を否定して振り向いて欲しいの？」
メグが1歩前に出てそう言った。
「勘違いするな！
父親だろうが蹴落とせる強者であれ、そう教わって来たしそうなるよう実践して来た。
人はどうあれそれが僕等親子の形だ」
だが、僕以外の凡人はそうじゃない。浅野はハッキリとそう言った。
家族の形というのは複雑な物で、平均とか正解とか普通とかが無い。私は所謂家族という物を持っていないから親子間の話に彼に対して口出しは出来ない。
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小野寺Aさんの冬服のイラストです。
http://uranai.nosv.org/img/user/data/6/0/8/60839fe1bec925cff22d53ea4d33dbd8.png
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詩季(プロフ) - レイカさん» ありがとうございます〜！普段は誤字の訂正にレスはしないのですが、これはちょっと面白かったのでレスしてしまいました。浅野君…学年最下位にっ…！笑笑 (2020年3月20日 22時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 浅野くんの点数が197点になってます！ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 中間、誤字ってます (2020年3月18日 19時) (レス) id: 83190f504a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月14日 19時
