ねじれの位置が275つ ページ37
2日目、仕込みがある為いつもより大分早めに登校した。どうやらキッチン担当は皆同じ事を考えていたらしく2人共家庭科室でもう既に調理を始めていた。
「おはよーAちゃん」
「はよ」
「おはよ、本当に」
鞄を置いてからエプロンと三角巾を取り出す。
「眠そうだね、Aちゃんには7時台は早かったか」
「いつも起きるのが遅い訳じゃ無いんだよ、準備の時間とか考えると今日は本当に早い」
なんて言い訳をかましてみるが効果は無い様で、原は上手い具合に受け流した。
それからは朝という事もあり基本無言で各々の準備をする。8時を過ぎる頃には他の皆も登校して来ていた。
しかし、此処で1つ気付いた事がある。
「何、この人の数」
「すっげー並んでんな」
昨日の疎ら加減や、殺せんせーを殺せなかった殺し屋達による殺意に埋め尽くされた食卓も無く、一般人が開店前に阿呆みたいに並んでいた。
「おはよー御三方、足りそう？」
開っ放しの扉を叩いたのは学級委員のメグである。私達は窓から彼女に視線を移す。
「何があったの？昨日と今日で客足の差が著しいというか」
「珍しく雄弁ね」
私もそれなりにパニックなのだ。既に売り子の格好をした彼女の両手を握って説明を求める。
「昨日ダンスが十八番君が来たじゃない？」
「来たよ」
「それ渾名なんだ」
原のツッコミも置いて私達は話を進める。
「その子がブログで此処の事話してくれたらしくて、それを見た人達が来たって訳」
なるほど、渚の女装は意味があったのか。あの日彼と会ったのは本当に偶然だけれど、今思えば運命だったのかもしれない。この繋がりにも感謝しなくてはならない。
「ねぇ皆、テレビ来てない！？」
急に聞こえた原の大きな声に気付いて今度は窓の方に釘付けになる。
本当だ、なんかカメラ持ってるし三村回してるし。確かにレベ的には普通のお店に負けていないと思うがまさかこんな中学生のお遊びにテレビが付いてくるとは思わなかった。
「私ちょっとサボって来る」
「行かせないっつーの」
だって絶対作った人になんか言われるじゃん！
どうしてこれ作ったのとか、レシピとか！！
必死の抵抗も、メグの腕力に私の細腕は適わなかった。段々と校舎を侵食していく取材陣に此方に気付くなと祈る事しか出来なかった。
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詩季(プロフ) - レイカさん» ありがとうございます〜！普段は誤字の訂正にレスはしないのですが、これはちょっと面白かったのでレスしてしまいました。浅野君…学年最下位にっ…！笑笑 (2020年3月20日 22時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 浅野くんの点数が197点になってます！ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 中間、誤字ってます (2020年3月18日 19時) (レス) id: 83190f504a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月14日 19時
