ねじれの位置が261つ ページ23
温度を低くなって来ていわし雲が空に咲く秋。この時期に開催された奴は進路相談である。
もし殺せんせーを卒業までに殺せたら中学卒業後の事も考えなくてはならない、という事らしい。言い回しに一々腹が立つ。
極めつけは『殺せないから多分無駄になりますがねぇ』である。舐めきった顔をして、本当に腹が立つ。
書けた人から職員室に来なさい、と言われた。
立ち上がって皆が話し合う中、私は自分の席から1歩も動けずに居た。
私は一体、何をしたいのだろうか。

「真っ白だな」
突然聞こえて来た声に驚いて顔を上げる。といっても、私に話し掛けて来る奴なんて1人しか居ない。
「……悠馬、終わったの？」
「何とかな」
私の机の上に顎を乗せた悠馬を目に入れつつ私は進路希望用紙を見つめる。
「何になりたい、とか今まで考えた事無かったなぁ…何が得意って訳でも無いし」
「お菓子作るの得意じゃん」
「あれは趣味っていうか」
私も机に突っ伏して考える。今を生きるのに精一杯だったというかこんな未来の事に目を向ける程の余裕も無い。
「……あ」
「ん、何？」
其処まで考えて気付いてしまった。
「私、追い出されるかな？」
顔を正面に向けるとすぐ近くに悠馬の顔があって長い睫毛を瞬かせる。
「なんで？」
「義務教育終わるし…それなら働かないとだ」
「翼さんってそんな人なの？」
「……分かんない」
翼さんは凄く優しいけど、義務教育を終えてしまったらどうなるか分からない。
「俺は、私立の中学行かせてくれてる時点で大丈夫だと思うけどなぁ」
聞いてみれば、と私の鞄の中から勝手にスマホを取り出した。確か今は稽古期間だから、比較的連絡は取りやすい筈だ。
スマホを受け取って文を書く。
『今、進路相談しています』
『あーそんな季節かぁ』
「早いな」
「丁度休憩時間なのかな」
しかしその後の文章は書けなかった。なんて言えば良いのか適当な文章が思い当たらない。悠馬は立ち上がってカルマの椅子を奪い隣に座って来る。決まるまで待ってくれるつもりらしい。
『お金はあるから、好きな高校に行ってね』
音も無く現れたその文章を何度も読み返す。隣で悠馬も笑ってくれた。何分も会話が進まないから翼さんは察してくれたのだろう。
『ありがとうございます』
キーボードでそう打ってから送信すると可愛いスタンプが送られて来た。私はスマホを鞄の中にしまいまた机の上に頭を置く。
「どうしよう」
振り出しに戻った。
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詩季(プロフ) - レイカさん» ありがとうございます〜！普段は誤字の訂正にレスはしないのですが、これはちょっと面白かったのでレスしてしまいました。浅野君…学年最下位にっ…！笑笑 (2020年3月20日 22時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 浅野くんの点数が197点になってます！ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 中間、誤字ってます (2020年3月18日 19時) (レス) id: 83190f504a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月14日 19時
