ねじれの位置が183つ ページ41
ラスト1分まで殺せんせーは動かない。それまではずっと烏間先生が警察役を務めるらしい。
確かに、それなら勝算が無い訳では無い。
「よっし、やってみるか皆!」
悠馬の声で全員が賛同した。
δ
「ビッチ先生ぇアウトぉー♡」
律の可愛らしい声で段々と顔色がかわっていく。やばい、やばい意外に言いようが無かった。
「殺戮の裏山だな」
「逮捕だろ」
陽斗と悠馬に挟まれて茂みに隠れていると続々と逮捕される泥棒の名前が上がっていく。
「烏間先生、本気だね」
2人に耳打ちをすると賛同してくれたのか頷いた。確かにこうして追われる事により標的側の心理を掴めるかもしれない。
「……来る」
私がそう言うと同時に作戦通り3人がそれぞれ方向に飛んで行く。当然の様に上から来た烏間先生は少し迷ってから陽斗の方に向かう。私と悠馬はその間に入れ替わり木を伝って遠くまで逃げて行く。
「っと、危ない」
音も無く現れた手を背中を反って交わした。それから手を付いて一回転してまた逃げようとする。しかし烏間先生の方が1枚上手で高飛びをしつつ私の前に来た。
「駄目か」
「いや、動き自体は良かったぞ」
元々体を柔らかく使うのは好きだった。だからこういった鬼ごっこは得意な方かもしれない。
「Aも捕まったか」
「1回は交わしたんだけど」
「すげーな」
3人仲良く捕まった為、3人仲良く牢屋に入る。もう既に4人程入っていて計算ドリルをやっていた。私は糖分補給の為にいちご味の飴を食べる。
「こら小野寺さん!ちゃんと刑務作業しなさい」
「ちょっと聞こえないです」
そう言いながら私は殺せんせーに背中を向ける。悠馬の隣に来て彼がドリルをやっている所を見ていた。
「此処の符号違うよ」
「えっ…」
「移行してる」
「あ、ホントだ」
彼はたまにこういうミスをするから本当に勿体無い。私は悠馬の勉強姿を見つつどうしようかと悩んでいた。此処から出なければケーキを食べられる確率は減る。
「……あ、」
思い付いた。悠馬は何事かと顔を上げるが私の表情を見て察する。
「皆とケイドロ出来るって楽しみだったのになぁ」
わざとらしく上げた声に全員の耳が動いたのを感じる。
「折角、皆と仲良くなったのに……」
猫背にして顔を下に向けると呻くタコの声が聞こえる。チョロい。
「行け」
してやったり。
「勉強よりも大事な物はある、行け」
その言葉を機に、牢屋に居た全員が外に出て行った。
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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時:2020年3月5日 17時