ねじれの位置が181つ ページ39
それから、殺せんせーを電話で呼び出して私達は教室で見守る事にする。
「すげー勢いで食ってくな」
「其処まで辿り着くのも時間の問題だ」
プリンの底にはリモコン爆弾と観察カメラをセットしてある、リモート起爆のタイミングは周りのプリンが無くなって行き暗闇の画面にうっすら光が映った瞬間。
いける、誰もがそう思ったその時。
「ダメだ────っ！！！！」
耳を劈く様な大きな声が教室中に響いた。
「愛情込めて作ったプリンを爆破なんて駄目だ！」
「ちょ、落ち着け茅野！」
「プリンに感情移入してんじゃねー茅野！フッ飛ばす為に作ったプリンだろうが！！」
「寺坂が初めてまともな事言った」
「プリンを爆発させる道具だと思ってる糞野郎の間違いでしょ」
普通に考えてプリンの爆発は見ていて辛いだろう。
「ずっとこのまま校庭でモニュメントとして飾るんだい！」
「腐るわ！！」
カエデは思ったより阿呆らしい。蝿が湧くに決まってるだろう。
「ふぅ、ちょっと休憩」
突然聞こえて来た声に驚いて振り向くと、爆弾と起爆装置を外している殺せんせーが其処に立っていた。
「プラスチック爆弾の材料には強めの匂いを放つ物がある。
竹林君、先生の鼻にかからない成分を研究してみて下さい」
「……はい」
私達よりも鼻が利くこの先生には爆弾の匂いを嗅ぎ分けるなんて朝飯前なのだろう。思わぬ所でバレてしまった。
「そしてプリンは皆で食べる物ですよ、綺麗な部分をより分けておきました」
────ガタッ
「落ち着けA」
目の前であんなに大きなプリンを見て、甘い匂いを嗅いだら誰だって食べたくなるだろう。
生クリームと卵の、それからカラメルの苦味の助けもありほんのり大人の味だ。何よりこの溶ける様な舌触りが美味しくて仕方無い。
「惜しかったね茅野、寧ろ安心した？」
渚がプリン片手にカエデの元へ寄っていく。照れながら笑うカエデに渚は更なる言葉をぶつけた。
「でも茅野が此処まで徹底してやると思わなかった。楽しかったし意外だったよ」
「本当の刃は親しい友達にも見せない物よ」
意外性を突いた彼女はそう言いながらプリンを掲げる。
能ある鷹は爪を隠す、なんてよく言った物だ。
「また殺るよ、ぷるんぷるんの刃だったら他にも色々持ってるから」
愉しそうに笑ったプリンマニアも、此処では立派な暗殺者だ。どんな個性でも活きるのがこの暗殺教室の特徴である。
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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます！！1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります！！ (2020年3月8日 14時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - １から全部読んできました！すごく面白いです！更新、頑張ってください！ (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月5日 17時
