ねじれの位置が180つ ページ38
下の層はゼラチン、上の層は生クリームを多めにして自重を支えつつ上はふんわりさせる。だから班に別れて入れるプリンが違うらしい。
「つまり下はプッチンプリンみたいにプリンみたいなゼリーにするのか」
「そう！そうしたら自立するかなって」
それとね、カエデは大きな箱を私に持たせる。中には色とりどりの立方体が所狭しと並んでいる。
「……味変？」
「正解！ずっと同じ味ばっかじゃ飽きちゃうでしょ。フルーツソースやムースクリームが溶け出してあちこちで味に変化がつく部分が生まれるの」
なるほど、技術だけではなく味まで極めたのか。どれだけプリンが好きなのだろうか、熟知している。
それからカップの中にパイプを通して冷却水を通してプリンを冷やす。いわば冷蔵庫の役割りだ。
「やるねー茅野ちゃん、卵のニュースから1週間の間にこれ全部手配したの？」
「……卵のニュース？」
カルマの言葉に異変を感じて尋ねてみるとカエデははにかみながら答えてくれた。
「うん、卵が廃棄されるっていうニュースを見てさ。チャンスが来たって思ったんだよ」
「なるほど、確かに良いチャンスだね」
お金は全部防衛省が出してくれる。最高の機会かもしれない。
「そうと決めたら一直線になっちゃうんだ…私」
いつも後方支援で皆のサポートばかりしていたカエデがプリンになるとこんなに行動力があるとは思わなかった。だからこそ、皆も面白がって協力しているのだろう。
「一晩冷やしたらパイプを抜き、その穴から空気を吹き込んで型枠を浮かせて外し、緩めのゼラチン寒天でプリン肌を滑らかに整え…
カラメルソースをかけ表面をバーナーで炙ればぁ……」
「出来たぁ────っ！！」
「凄い、美味しそう、凄いよ悠馬！」
「だな。本当に出来るとは思わなかった」
何年か越しにこの夢が叶うとは思わなかった。悠馬の腕を掴んで飛び跳ねる。幸せ過ぎる。よもやあの中に爆弾が埋まってるとは思えない。
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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます！！1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります！！ (2020年3月8日 14時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - １から全部読んできました！すごく面白いです！更新、頑張ってください！ (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月5日 17時
