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ねじれの位置が173つ ページ31

白地に赤い梅の花は紺色の菊の花が散らばる浴衣。帯の色は黄色にしてアクセントカラーに。頭にはベレー帽を被って後ろ髪は纏めた。それから金縁の眼鏡も掛ける。

レトロをイメージして赤を貴重にした。

「お、気合い入ってんな」

待ち合わせをしていた陽斗が手を振りながら此方に来る。彼の隣に居る悠馬も一段と笑顔だった。

「浴衣とか普段着ないからね」

袖を持って確認すると悠馬は似合ってるよ、と笑い掛けてくれた。

「今日は頭撫でられなくて残念だな〜磯貝」
「え、あ〜別に」

確かに普段され過ぎてて気付かなかったけど悠馬に頭を撫でられる割合は高い気がする。ごめんね、なんて小首を傾げながら見上げると無言で肩を叩かれた。

「確かに、ちょっとキツいかもな」

なんて声は雑音に紛れて私には聞こえなかった。



その後は祭り会場に向かい皆と合流する。
久しぶり、とか夏休みの宿題終わった、とか色々と言葉を交わしながらもそれぞれに散っていく皆。私達もそれに倣って歩き出す。

「なぁ、金魚すくいしないか?」

離れて行った2人を見送ってから悠馬はそう言って屋台を指差した。特に異論は無い為私達3人は金魚すくいをする事にした。

おじさんにポイとボウルを3つ貰って取り掛かる。

「結構取れるかも」
「え、俺もう破れた」
「女の子以外陽斗が拾える物なんて無いよ」
「仲良くな」

いつも通りの小競り合いといつも通りの注意を受ける。会ったのは三者面談の時以来だが2人共変わりがなくて良かった。

「ていうか相変わらず何でもそつなく熟すな磯貝」
「コツだよ、ナイフ斬る感覚と結構近いぞ」
「その発想は無かった……あ、」

ポイが破けてしまった。

「ばっかでー俺を馬鹿にするからそうなるんだ」
「陽斗より取れたから問題無い」

0匹の陽斗よりも10匹程多く取れたからそれだけで満足である。

「こんなもんか、うち貧乏だから100円で1食分浮いたのは有難いわ」
「そっか」

陽斗と共に1度納得したが数秒してから顔を見合わせる。

「え、食うの?」

ルンルン気分の悠馬を見て私は自分が持っている金魚の袋を見た。

「いる?」
「え、良いのか?」
「うん…私はいらないし」

飼いもしないし、食べもしない。嬉しそうに金魚の袋を抱える悠馬を見て陽斗と顔を見合わせて苦笑を零した。

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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25  
作成日時:2020年3月5日 17時

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