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ねじれの位置が171つ ページ29

喉から変な息が漏れた。意味が分からない。だって、私は翼さんの家に勝手に転がり込んだ居候ど邪魔な存在だ。なのにどうして仲良くなりたいと思うのだろうか。

「親戚からうちに連絡が来た時にはびっくりしたけど、初めて会った時にすっごい寂しそうな顔してたから…守ってあげないとって思ったんだよ?

でもA懐いてくれないし、寧ろ俺の生活を邪魔しないようにしてるしどうしようってずっと思ってた」

分かっていたのか。私が徹底的に彼と関わらないようにしていた事もその理由も。それに、仲良くしたいと言ってくれた。

「だから今日こうやっておやつ食べに来れたのも、好きな食べ物をしれたのも、すっごい嬉しい。
……Aはどうかな?」

泣きそうだった。なんでもっと早く気付かなかったのだろう。

「…嬉しい、です」
「良かった」

じゃあ、パンケーキ決めちゃお。涙目な私になんて普通に接してくれる翼さんは優しい。指で目元を拭って滲んだメニュー表を見た。

δ

円柱と呼んでも支障はないパンケーキが2つ。上にたっぷりと乗った餡子と段々と溶けていくバター。そして隔離されているバニラアイス。見た目は良好。写真を撮った。

「いただきます!」

手と声を合わせてそう言った。

まず1口。溶けたバターが輝くパンケーキの上に小倉とアイスを大きな口を開けて迎え入れる。

まず最初に来たのは、アイスの冷たさ。甘いながらも口の温度を冷やしていくそれが手を引いたのは餡子だ。此方はお淑やかな落ち着いた甘さを醸し出し、アイスの様に踊り出す事は無いが舌の上で座る。それからバター。カロリーの象徴であるこれは全ての繋ぎの役割を果たしていて最後に全ての味を纏めた。

「美味しそうに食べるね」
「そうですか?」

翼さんの前では発した事の無いトーンだろう。今は取り繕えない位気持ちが上がっている。美味しい。凄く美味しい。

「甘いの好きなんだ?」
「お菓子はなんでも好きです」

そう答えると興味深そうに頷いてその後思い出した様にあっ、と声を出した。

「授業中も食べてるって言ってたね」
「あ、いや…あれは陽斗の勘違いですよ」

ホントにぃ?なんて笑って来るから此方も苦笑いしか出来なかった。

「他には何が好きなの?俺何か作った事ある?」

基本食べる物は自炊している翼さんは私の分までご飯を作ってくれている。私は暫く考えてから1つ思い出した。

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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25  
作成日時:2020年3月5日 17時

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