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ねじれの位置が165つ ページ23

前原陽斗side

肝試しも夕食も、なんなら風呂も終わってへやで駄弁っている。同い年の野郎が集まって話す事なんて1つだけだ。

「やっぱり神崎は不動の1位かぁ」

そう零したのは岡島だ。
俺達が今行っているのは修学旅行のかいていばん、好きな女子ランキングだ。といっても前回同様軽いお遊びで本気で投票してる奴は少ない。

「で、急上昇株は小野寺か…まぁ分かる気がする」

紙を持っている菅谷がAの文字をなぞって唱える。俺としては全く分からないが他の奴らは何度も頷いていた。

「ぶっちゃけさぁ、あの毒加減が良いよな」

そう言ったのは木村だ。珍しい、彼がこういった話に率先して加わるとは思わなかった。

「悪口では無いあの匙加減が良いよな…」
「おっと、此処で千葉の登場か」

杉野の苦笑いに俺も合わせて笑っておく。それから少しだけ無知な此奴らに幼馴染みならではの情報を提供する。

「彼奴さ、結構具体的に毒吐いて来るだろ?」

頷く野郎共。

「でもたまーに、どストレートに言ってくるんだよ。屑とかカスとか」

想像してみ、なんて付け加えると鼻の下を伸ばす野郎の表情が見える。挙句の果て俺を羨ましがり始めた。気持ち悪い。

「で、そんな小野寺を手玉に取った磯貝はどーなんだよ」
「んー?」

奥で荷物を整理していたアホ毛が動いて姿を表す。

「ぶっちゃけ小野の事どう思ってんの?
お前らカップル感はあるけど好き同士って感じはしないんだよな」

吉田の声に抜けた声を漏らしながら此方に寄って来る。立ち上がったままの磯貝は全員を見下ろす形でニヒルに笑った。

「好きじゃなかったら彼処まで尽くさないだろ?」

一瞬の沈黙。それから数人が立ち上がって磯貝をベッドの上へ投げ込んだ。

「やるじゃん磯貝!」
「スマート過ぎんだろ」
「うちの急上昇株独り占めしやがって」

男子ならではの絡みをしていく奴らの中で俺は1人で胸を撫で下ろす。この前話した時は答えが出ていなかったらしいけど、もうとっくに答えは出ていたらしい。好きだから、彼らが関わろうとする理由なんてたかがそんな物だ。

「まぁ…Aの方がどう思ってのか分かんないけど」

磯貝は野郎に敷かれながら言った。

「あぁ!?テメーらどう見ても両思いだろ」

寺坂の声に苦笑いで返す。それから上に乗っかる野郎をつぎつぎとスマートに退かして行き、ベットの上に座った。

「Aは多分、恋愛なんてまだ頭の中に無いよ」

弱音を吐く素振りを見せながら磯貝は笑った。

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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25  
作成日時:2020年3月5日 17時

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