ねじれの位置が161つ ページ19
そもそも身長も胸のサイズも違う服を着せる方が悪かった。赤面している神崎を横目にひなたが新しい提案をする。
「大切なのは乳よりも人間同士の相性よ!」
後ろで大きく首を振るカエデを見逃さなかった。
「小野寺ちゃんもあんまり無いよね」
「今のはセクハラだぞ?」
私よりも先に口答えしたのは悠馬だった。私は自分のサイズ感は特に気にしていないからどうでも良いのだが紳士が売りの悠馬はお気に召さなかったのだろう。
「ごめんって、そんなに怒んないでよ」
ニヤニヤしながら同意を求めるカルマは適当に流して私は会議の内容に耳を傾ける。
「烏間先生の女性の好みを知ってる人は?」
「あ!そういえばさっき、テレビのCMであの女の事ベタ褒めしてた!!俺の理想のタイプだって」
なんてタイムリーなのだろうか。とーかが指を差した方向に目を向けると流れていたCMに呆れて口が開いた。
彼女はホームセキュリティ系のCMで起用されているレスリングの現役選手。
「理想の戦力だろ」
阿呆過ぎて笑えた。
「なんか烏間先生の方に原因ある様に思えて来たぞ」
タラシ前原陽斗ですらこの諦め。確かに烏間先生って正義感強いし格好良いけど色恋沙汰は興味なんて無さそうだ。
「と、とにかくディナーまでに出来る事は整えましょう!
女子は堅物が好む様にスタイリングの手伝いを、男子は2人の席をムード良くセッティングです」
はーい!
色んな形の掌が夜空に上がった。
δ
「私のメイクに一々文句付ける前に自分のメイク見直せば?」
原が売店のミシンでショールを作ってる間、昨日のドレスに着替えたビッチ先生はドレッサーの前にある椅子に座らせた。
1度クレンジングで全てのメイクを落とさせる。透き通った肌が化粧水を飲み込んで行った。
「ファンデ塗りすぎ、日本では素肌感出てた方が綺麗なの」
そう言って私はビッチ先生のメイクポーチを漁った。中々良いのを使っている。その中から私は下地を取り出してビッチ先生の顔に塗り始める。これで肌のトーンは整った。
次に取り出したのはパウダー。
「はぁ?コンシーラーもしないの?」
「肌綺麗なんだから大丈夫」
隈も見受けられない綺麗な肌に、私物のパウダーを乗せる。それからチークを取り出して頬だけでなく鼻の上と耳にも塗った。
「チークってそんなに塗るの?」
とーかの当然の問いに私はビッチ先生に目を向けながら答える。
「ちょっとした小技、赤面して見える」
ほぉ、なんて感心の声が聞こえた。
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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時:2020年3月5日 17時