【暗殺教室】ねじれの位置IV【磯貝悠馬】

ねじれの位置が159つ ページ17

荒い息を零しながら出口で倒れる殺せんせーをクラスの全員が見つめる。

「要するに…怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ってたと」

殺せんせーの言葉を纏めるとこんな感じだった。結果を急ぎすぎ、くっつける方を優先してるから狙いがバレバレ、なんて言葉も聞こえて来るが私は呆れ過ぎてなんの言葉も出て来ない。

「だって見たかったんだもん！手ェ繋いで照れる2人とか見てニヤニヤしたいじゃないですか！！」

泣きギレに入ったゲスいタコが気持ち悪くて悪寒が走る。

「ていうか小野寺ちゃんと磯貝が居るじゃん、手ェ繋ぎながら入って行ったカップル」

中村の声に全員が此方を向く。

「付き合って無いし」
「俺達は幼馴染みだから」

冷静な対応でそう返してやるとタコはますます涙を浮かべる。

「だって小野寺さん達ずっとこんな感じでお互いの恋を包み隠すんだもん。
先生だってイチャイチャしてる所見てヒューヒューってしたいじゃないですか！！」

もん、とか言っても可愛く無いし実際付き合って無いし幼馴染みだし。
なんて御託を心の中で並べていても会話は続いていく。もう此方に目は向かないと思っていたが熟れた頬を見逃さなかったゲスい奴が何人か居た。

「何よ、結局誰も居ないじゃない！怖がって歩いて損したわ！」

洞窟の中から出て来たのはE組の教師2人。分かりやすく胸元に烏間先生の腕をくっつけるビッチ先生はキャンキャンと子犬宜しく吠えていた。
全員の視線に気付いて気まずそうに胸元から烏間先生の腕を離す。

「なぁ、薄々思ってたけどビッチ先生って…」
「……うん」

言葉にせずとも伝わっていた。あの2人の様子を交互に見て会話が弾ませる。

「…どうする？」
「明日の朝、帰るまでに時間はあるし」

────くっつけちゃいますか！？

阿呆ばっかだな。

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