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ねじれの位置が158つ ページ16

場所はこの島の海底洞窟。300m先の出口まで男女ペアで抜ける事、なんて口実の元引かされた籤の番号は12番。悠馬と同じ番号だった。

「殺せんせー、大分上機嫌だったけどなんかあった?」

懐中電灯を右手、私の手を左手に持った悠馬が前方を注意しながら放った言葉はそれだった。

「殺せんせーに何があったかは知らないけど」

やっと平らな道に出た所で私は答える。悠馬は足を止めて此方に顔を向けた。

「私は、前に進めたと思うよ」

見える物全てを拒んでいた。
全部が敵で、全部が恐怖の対象だった。あの怪物だって然りだ。何をされるか分からなかった。
だけど、あの怪物にも色々考えがあって生徒の安全を1番に考えてくれているのだと分かった。

否、最初から分かっていたのかもしれない。

でも自分の中の蟠りが彼を先生にする事を許せなかった。

「きっと殺せんせーは、Aに先生って呼ばれた事が嬉しかったんだと思うよ」
「寺坂みたいだね」

私のレスに首を傾げる悠馬。

「何方も単純単細胞、簡単が売りでしょう」

謎掛けみたいに言ってみると悠馬は可笑しかったのか声を上げて笑った。それに釣られて私の口角も上がる。

「立て篭り飢えた我々は…1本の骨を奪い合って喰らうまでに落ちぶれた。お前達にも同じ事してもらうぞ」

突然聞こえて来た声に肩を跳ねさせる。何事かと思って辺りを見渡すと何処からか現れたポッキーが吊るされている。

「さぁ、両端から食っていけ」

聞こえて来る先生の声に溜め息が出る。悠馬も小さく苦笑いをした。

「これ…ポッキーゲームですよね?」
「本音が見え見えなんだよ糞野郎」

予定と違う!なんて叫びながら逃げていく殺せんせーを見てもう1度溜め息を付いた。

「しかもチョコの所溶けてるし」
「蒸し暑いからな、此処」

出よっか、何方からとも無くそんな声を発した。

何処からか聞き覚えのある叫び声が聞こえた。

「結局彼奴が1番恐怖を楽しんでるじゃん」
「殺せんせーってそういう所あるよな」

私達は手を繋ぎ直して先を急いだ。

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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます!!1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります!! (2020年3月8日 14時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 1から全部読んできました!すごく面白いです!更新、頑張ってください! (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩季 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/sa1son_i25  
作成日時:2020年3月5日 17時

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