ねじれの位置が157つ ページ15
ルールは簡単。
お化け役を務める彼が分身をたっぷり使って動き生徒を脅かしていく。
勿論お化けは殺してもOK、という事らしい。
「面白そうじゃん、昨日の晩動けなかった分憂さ晴らしだ！」
陽斗のその声を合図に色々な意見が聞こえて来る。しかしながら私とカルマだけは企画を提案した其奴の顔を見ていた。
「自分が楽しむ気満々じゃん」
「笑い方が気持ち悪い」
沖縄限定のシークワーサーの飴を舐めながらそんな事を話していた。
「そもそも至る所に彼奴が出没するのが気に入らない」
「あ、小野寺ちゃん言っちゃった？」
いつも通り辛辣な言葉を述べると聞こえてしまったらしく彼は顔を覆って泣き始めた。
「気にすんなって」
「通常運転で良かったじゃない」
なんて生徒達による純粋な感想もとい辛辣な言葉に立ち直れない黄色い生物。しかしそんな物に構っている暇は無く生徒達は肝試しに興味を引かれていて会場に向かってしまう。カルマも渚と共に其方へ行ってしまった。
「俺等も行くか」
陽斗の言葉を合図に悠馬は私の前に手を差し出して来る。素直に握ってみるとぎゅっ、と強く返して来た。
「お前ら午前中から密会してたろ」
「正式な場で会ってたよ」
陽斗の言葉に口を挟むと意味も分からず笑われた。
「大きな泣き声が俺とカルマの所まで聞こえて来たぜ、赤ん坊かよ」
「はぁ？そういうのは聞こえてても口に出す物じゃないでしょ、それでもアンタタラシなの？」
「ごめんなAにタラシやる価値無さそうだから…」
「うっざ、カルマは黙ってたし」
「内心馬鹿にしてたと思うぜ？」
「カルマはアンタより何倍か性格良いわ」
周りを走りながら喧嘩をする私達の手首を無理矢理掴んだのは勿論悠馬。
「仲良くしなさい」
目を閉じて呆れを隠す彼にはぁーい、と両者返事をする。
「そもそも悠馬が女の子泣かせるのがいけないと思うんだけど」
「うっわー磯貝そりゃ無いぜ？こんな奴でも一応は女子なんだからさ」
「普通に女子だし」
まさかの所で攻撃を喰らった悠馬は何故か私では無く陽斗を叱った。逃げるオレンジと追い掛ける黒。私もそれに混ざって走ろうかと思ったが未だ泣いている其奴が気になって足を止める。飴に付いている白色の棒を手に取って口の中に余白を入れた。
「早くしないと遅れるよ、殺せんせー」
逃げるが勝ち、なんて言葉を先人はよく言った物だ。私も悠馬と陽斗の元まで走って行った。
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詩季(プロフ) - 閃光の舞姫さん» コメントありがとうございます！！1から読んでいただけているなんて凄く嬉しいです、これからも頑張ります！！ (2020年3月8日 14時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - １から全部読んできました！すごく面白いです！更新、頑張ってください！ (2020年3月7日 21時) (レス) id: d6107e9d06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年3月5日 17時
