平行線が152つ ページ10
取り敢えず、今出た物を纏める事にした。
和風テイストな物が、バターと小倉の2種類で決定。
洋風テイストな物が、いちご、マーマレード、チョコレート、マンゴー、桃の5つである。
どれも美味しそうだが、予算や当日の調理過程等の諸々を考えると後2種類しかメニューに出来ない。
「三ケ島…さんは何が良い？」
「でろ甘とほど甘で1つずつ出した方が良いかなって。てか何その取って付けた様なさん」
彼女は此方に顔を向けて大きな瞳を見せる。
「普段人にさん付けしないから」
「じゃあすんなや」
「三ケ島」
「京子で良くない？何それ、絶対に仲良くしませんよー的な？」
「きょーこ」
「よろしい」
満足らしい。
しかし彼女が先程言った事は一理ある。両方甘過ぎてもバランスが良くない。だから程良いバランスが必要となってくる。
「チョコレートはカカオの量で調節出来るし」
「ていうか、パンケーキ自体が甘いからカカオ高い方が良いかも」
「じゃあ此奴はほど甘部門で」
マンゴーと桃がでろ甘、いちごとマーマレードとチョコレートがほど甘となった。
「いちごは食い付き良いと思うんだよね」
「えーチョコ駄目？」
「チョコ好きなの？」
私は大きく頷く。チョコレートはどんな形にも変わるし、甘さも変わる優れ物だ。
「いちごチョコ」
京子が2つの文字に丸を付けながら言った。私は彼女の大きな瞳を見る。
「……天才？」
ほろ苦いチョコレートソースの上に甘いいちごをトッピング。それだけでパンケーキは幸せの味になる。いちごは冷凍でも良い。シャリシャリ感を楽しめる。
「じゃあ決まりね。もう1つは？」
京子は下にケツ提案としていちごチョコと書き足した。今度は私が頭を捻らせる。
「マンゴー缶より桃のコンポートの方が誰でも同じ量で提供出来る気がする」
「あー確かに、マンゴー缶地味に高いしね」
桃ならギリギリ旬から外れてしまった売れ残りが安く手に入る。ならば桃の方が良いだろう。
「決まり」
京子は下に決定案4つを書いた。私も大きく頷く。
「1回私等で作ってみないと」
「そうね、家庭科室貸してくれるかな？」
「…うちでやれば良いじゃん」
それなら設備も整っているし、あんこもまだあるし、翼さんも稽古中で帰りが遅い。それにわざわざ制服を着なくて良いのだ。
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詩季(プロフ) - ハニさん» コメントありがとうございます、最近は時間が無く、長期休みにしか投稿出来ませんがまた読んでいただけたら幸いです。 (2022年3月6日 13時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - ねじれの位置から一気にここまで読み進めてしまいました…！この作品、大好きです！更新頑張ってください！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: dd382f78df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年9月2日 19時
