平行線が175つ ページ33
「カルマ君停学してたの！？」
そう声を上げたのは後ろに居た紫音だ。
「してたの」
「A組の先輩殴ってね、E組行きの理由もそうだった」
「E組行き？」
うちの学校の、しかも私達の代までしか使われていない制度の話をされて紫音は首を傾げる。
「ニュースになったでしょ、椚ヶ丘の教育方針で、3年のE組は2年までに色々な理由でやらかした生徒だけが旧校舎に隔離されてたって」
「そう…だっけ？」
傍からすればその程度の記憶なのだ。あの三日月も、怪物も。メグはそう、とだけ相槌を打った。
「じゃあ2人はなんでE組に行ったの？」
2人で顔を見合わせる。
「成績不良」
「不登校」
紫音は爆笑した。
「え、え、じゃあ磯貝くんは？」
「バイトバレた」
「へー！竹林くんは？」
「成績不良だっけ？」
「違う素行不良、理事長のトロフィー叩き落とした」
「やば、E組やば！」
よくよく考えればあの人数で約30人がやばい認定されて旧校舎に行っていたのだ。考えものである。
ゲラゲラと笑っている紫音は放置して、メグがくじを引く番になった。
「1番前？」
「んーとね」
黒板に書かれている番号を見ながら確認している。私もすぐにくじを引いてメグの隣に立った。
「あ、勝った」
「どこ？」
「後ろ」
番号を自分の名前に書き換える。窓側の後ろから2番目。かなり良い席である。
「主人公席じゃん」
そう言いながら紫音も名前を書いていく。彼女は廊下側の前から3番目だった。
「離れたね」
「悲しい？」
「すっ……ごく、悲しい」
嘘くさ、なんて言われてしまった。
「良かったねA」
メグもやっと自分の席が見つかったのか名前を書いていく。
「え、うそ！？」
「ほんと」
彼女の席は私の後ろだった。これは、凄く嬉しいかもしれない。メグの両手を握って喜びを表していると、そのまま教壇から降ろされた。確かに邪魔だった、私達。
「私だけ離れたじゃんもー」
「大丈夫、高野も居る」
斜め後ろを指さして教えてあげた。不服そうな顔をするが、こればかりは仕方無い。
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詩季(プロフ) - ハニさん» コメントありがとうございます、最近は時間が無く、長期休みにしか投稿出来ませんがまた読んでいただけたら幸いです。 (2022年3月6日 13時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - ねじれの位置から一気にここまで読み進めてしまいました…！この作品、大好きです！更新頑張ってください！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: dd382f78df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年9月2日 19時
