平行線が154つ ページ12
次に食べたのはシンプルなバターのパンケーキ。
これも定番の味だ。無難だからこそパクパクと食べられるし、焼き立てなのも相まってとても美味しい。結局はシンプルな物が勝つのだ。
その次は桃のコンポート。
桃を多めに取って大きな口を開ける。
「あ、美味しい！」
「んね、思ったより甘ったるく無かったわ」
「すごい、おいしい、美味しい！」
「語彙力どうした？」
コンポート自体が甘過ぎない。桃自体の甘味を活かしている。流石は京子の手作りである。桃もパンケーキも一瞬で無くなってしまった。
「コンポート、今度私に作って」
「なんで、良いけど」
「やった」
交渉成立である。
私は最後のいちごチョコをナイフで切り取る。チョコレートソースといちごをパンケーキの上に乗せて口内に迎える。
チョコレートソースの程良い甘味と苦味、それからいちごの酸味がマッチして纏まりを帯びる。パンケーキの助けもあってそれ等は最後までバラバラになる事は無かった。
「生クリーム入れたの正解、トロトロ」
「良かった」
流石はお菓子好き。1回の調理でそれなりに形になった。
「いちご、もう少し固くて良いかも。若干水気が強い」
「桃のコンポートの量も増やそうか。パンケーキ余る」
「小倉、バターの量平気？少ない気がする」
「あ〜、他がパンチ強いしな。あんこで喉乾きそうになってる気もするけど」
だが、問題点は幾つもある。まずはそれを洗い出して作り直しをしなくてはならない。
よし、と声を上げてから立ち上がった。からのお皿は一旦このままにして、新しいパンケーキを焼き始める。
「絶対途中でお腹いっぱいになるよね」
「残ったら翼さんが食べるよ」
「出た、翼さん」
彼が帰ってくる頃にはキッチンが綺麗にやっていると良いのだが。
そう思いながら、焼きあがったパンケーキにそれぞれのソースを掛けていった。
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詩季(プロフ) - ハニさん» コメントありがとうございます、最近は時間が無く、長期休みにしか投稿出来ませんがまた読んでいただけたら幸いです。 (2022年3月6日 13時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - ねじれの位置から一気にここまで読み進めてしまいました…！この作品、大好きです！更新頑張ってください！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: dd382f78df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年9月2日 19時
