平行線が102つ ページ8
此処まで誰も来ないという事はもう援軍は無いという事だろう。渚が烏間さんに連絡してくれているの間に、紫音を挟んでカルマと話し合う。
「最近のよく聞く不審者って何？」
「殺せんせーの細胞巡って各研究者がバトル中、この間うちの学校で直接烏間さんが襲われた」
「あーそれは聞いたわ」
今まで殺し合いをしていたとは思えないだらけた言い回しだった。
「てかなんで今更殺せんせー？」
「殺せんせーの研究を今政府主導でしてる」
「は？あれは使えないってなったじゃん」
「その内陰謀論でSNSで取り上げられるね」
一瞬にして膨れ上がったカルマの殺気を抑えるべく、冗談を飛ばす。彼も紫音を前にこれ以上の話は出来ないと踏んで黙った。
「烏間さん、こっちに来てくれるって」
電話を終えた渚がこてんと首を傾けながらそう言った。私もカルマも生温い返事をする。
「常に狙われてる私達は兎も角、顔を見た紫音が心配」
「え、私？」
突然名前を出されて変な声を出す紫音。
「此奴等回収すれば問題無いでしょ」
カルマは結論だけを述べて立ち上がった。それから順番に地面に転がった私の鞄や凶器を拾う。
「どーぞ」
「どーも」
丁寧に渡してくれた。
「小野寺ちゃん、こんな重い鞄よく振り回せたね」
「遠心力で、角度計算して其処まで持ち上げれば」
「それ、Aさんじゃないと出来ないよ」
また渚から横槍が入った。私は肩を竦めて返す。
「茅野の所にも不審者が出たって言ってた。殺せんせーの賞金獲得条件が無い今、僕達は狙われやすのかも」
渚が言った通りだ。去年は殺せんせー暗殺において、私達に気概が及ぶと賞金を得られなくなる為、下校中に襲われるなんて事は無かった。だが今は賞金なんて関係無い。殺せんせーの情報を持っている生徒が居れば回収するという事なのだろう。
「その辺、磯貝と片岡さんはどう思ってんの？」
「烏間さんの返答待ち」
「はぁ？それでも学級員かよ」
「元ね、今は8組と7組の学級委員」
今日のカルマはいつにも増して柄が悪い。私はそっと溜め息を零した。
「ていうか、あの怪物って死んだからもう終わりなんじゃ……」
紫音が私の腕を引きながら恐る恐る訪ねてきた。カルマの柄の悪さに怯えているのかもしれない。そんな紫音の手を反対側の手で握る。
「殺せんせーね」
「え？」
「怪物じゃなくて、殺せんせー」
あれを只の害悪にするのは、どうしても心苦しいのだ。
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詩季(プロフ) - のらさん» コメントありがとうございます。更新は、また停止すると思いますが、時間がある時に書いていこうと思います。ねじれの位置は平行線と対照的に、夢主の感情が後ろに向いている気がします。だから切なくなってしまうのかもしれませんね。 (2021年8月27日 20時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 更新が再開されて嬉しいです。時々ねじれの位置も読み直しますが、毎度なぜか切ない気持ちになるくらいには好きな作品です。応援してます^^* (2021年8月27日 0時) (レス) id: bbe0e38a06 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そう言ってもらえて嬉しいです...！ありがとうございます！ (2021年8月26日 10時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 此方こそ、続編にいかせてもらいありがとうございます。寧ろ評価して下さりありがとうございます。この作品は特に評価を気にしていないので、手間をかけてくださるだけで十分です。本当にありがとうございます。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 続編すごく嬉しいです！それとごめんなさい、評価10を押そうとしたら9押しちゃいました....本当に申し訳ありません！！！ (2021年8月25日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年8月24日 19時
