平行線が141つ ページ47
それからのんびりと来たお客さんにお菓子を売って、ちょっとだけ応援を貰って、出来たテンプレートに沿いながら進めていると、また見知った人物が現れた。
「うわ」
「うわ、ってなんだよ」
「そのまんまの意味だよ、こういうお菓子の祭典に来る見た目じゃないから」
頭の毛を全て刈り取った男、岡島大河と彼とは反対に髪の毛を伸ばした菅谷創介が現れた。
「いらっしゃい、久しぶりだな」
後ろからテーブルに手を置いて上半身を出す悠馬に驚いて、彼らは1歩後ろに下がる。
「うっわ、磯貝まで居んのかよ」
「荷物持ちとか雑用係でな。女の子2人じゃ出来ない事もあるだろ？」
菅谷の反応にも屈しず、爽やかに対応する悠馬を見て感心する。
私はそれぞれに商品を詰め合わせて渡すと、彼らはチケットを渡して来た。顎で私ではなく紫音に渡すよう指示する。
「あ、ありがとうございます！」
紫音はチケットを受け取ってから、私と彼らを交互に見る。
「何？」
シンプルにそう尋ねるとヌフ、なんて気持ちの悪い声を出した。
「高野への対応と全く一緒でちょっと安心したわ」
「高野と岡島と菅谷は、頭で考えてる事が同レベルなんだね」
どういう意味かは敢えて言わない。凄い勢いで2人が文句を言ってきたから言う暇も無い。
「で、何しに来たの？」
私がそう尋ねると、彼らは顔を見合せた。どうやら予想は当たったらしい。彼らが純粋な気持ちで此処に来る訳が無い。
「実は、モデルお願いしたくて」
「結構です」
「今日、お前に投票するから！」
悠馬が2人を宥める。私は1歩後ろに下がって勝ち気な瞳を見せた。
「今度の写真のコンクール、人を入れないと駄目でさ」
「俺も理由は似た様な感じ。人が居る風景画描きたくて」
勝手に話を進められても困る。他人事の様に聞き流した。
「今ならもうすぐ開店するワッフル店の3日間限定フルーツワッフル付き」
「行く」
隣に居る紫音から人間の喉から出ない様な変な音がした。
勿論、そのワッフルは自分で買う予定だったが買ってくれるなら話は別である。モデルでもなんでも引き受けよう。
「良かった、受けてくれなかったら神崎にお願いしないとだったから」
「私、神崎の代わりなの？」
「持ち物は神崎に劣らない品な」
菅谷は人差し指を立ててそう言った。その人差し指をしっかりとあらぬ方向に曲げておく。
「神崎と同じ麗しさを求めないで」
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詩季(プロフ) - のらさん» コメントありがとうございます。更新は、また停止すると思いますが、時間がある時に書いていこうと思います。ねじれの位置は平行線と対照的に、夢主の感情が後ろに向いている気がします。だから切なくなってしまうのかもしれませんね。 (2021年8月27日 20時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 更新が再開されて嬉しいです。時々ねじれの位置も読み直しますが、毎度なぜか切ない気持ちになるくらいには好きな作品です。応援してます^^* (2021年8月27日 0時) (レス) id: bbe0e38a06 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そう言ってもらえて嬉しいです...！ありがとうございます！ (2021年8月26日 10時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 此方こそ、続編にいかせてもらいありがとうございます。寧ろ評価して下さりありがとうございます。この作品は特に評価を気にしていないので、手間をかけてくださるだけで十分です。本当にありがとうございます。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 続編すごく嬉しいです！それとごめんなさい、評価10を押そうとしたら9押しちゃいました....本当に申し訳ありません！！！ (2021年8月25日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年8月24日 19時
