平行線が126つ ページ32
2人共、後1回で死亡する。
銃なんて持った事の無い紫音と、水が苦手な私。
この水上戦では何方が強いだろうか。
「ドン」
私は小さく呟いてから紫音に向かって銃を撃つ。また乱れ撃ちをされてしまったら勝ち目は無い。出来る限りのスピードでメグの後ろに行き、壁を作った。
「私を肉壁にするな」
敗者席には人が沢山居る。肉壁は沢山ある。私はニッと笑った後にメグに持っていた銃を1つ預ける。それから紫音の弾切れを狙って1発撃って退避した。
「あ、ずるっ！」
「フィールドが何処なんて決まってない」
聞いた事ある台詞にメグが額に手を添える。陸に上がってしまったら私の方が有利だ。紫音が水を入れ終わった瞬間に屈んで隣の高野の後ろに隠れた。
「おりゃっ！」
「あっ、ちょっ!!」
「悪りぃな、俺は敵だ」
ゴポゴポゴポ。水の音。頭まで沈められてすぐ、高野手によって引き上げられる。その隙にいつ間にか来ていた紫音に銃で撃たれた。
「あっ……」
負けた。そう実感した時には3人がハイタッチをしていた。
「A大丈夫？」
「鼻に入った、痛い」
「それは痛いねー」
メグが心配して、支えながら私をプールの家から引き上げた。志倉も此方によって声を掛けてくれる。
「ていうか、負けた方がダメージでかい」
「アンタはもう少し痛い目見た方が良いよ」
メグに辛い言葉を頂いた。まさか素人に負けるなんて。水の中とはいえ、結構自信があったのに。
「小野寺も悪りぃな、大丈夫か？」
「大丈夫そうに見える？」
寄ってきた高野に向かってそう返事をするとケラケラと笑われた。
「でも、水も案外怖く無いだろ？」
そう言われて気付く。先程まで感じていた水への恐怖は幾らか減っていた。彼の顔を見ると、悪戯に成功した時のそれを此方に向けていた。
「高野みたいに単純に生きてないから」
「はい頂きました〜」
志倉と拳をぶつけながらまた笑った。意味が分からない。
「分からなくて良いよ、あの2人の遊びだから」
石島はいつものニコニコ笑顔でそう言った。私はふーん、とだけ返して楽しそうな彼らを見つめる。彼らも高校に入る前からの長い付き合いなのだと改めて感じた。
こうして、夏の思い出は新たに更新されたのである。
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詩季(プロフ) - のらさん» コメントありがとうございます。更新は、また停止すると思いますが、時間がある時に書いていこうと思います。ねじれの位置は平行線と対照的に、夢主の感情が後ろに向いている気がします。だから切なくなってしまうのかもしれませんね。 (2021年8月27日 20時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 更新が再開されて嬉しいです。時々ねじれの位置も読み直しますが、毎度なぜか切ない気持ちになるくらいには好きな作品です。応援してます^^* (2021年8月27日 0時) (レス) id: bbe0e38a06 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そう言ってもらえて嬉しいです...！ありがとうございます！ (2021年8月26日 10時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 此方こそ、続編にいかせてもらいありがとうございます。寧ろ評価して下さりありがとうございます。この作品は特に評価を気にしていないので、手間をかけてくださるだけで十分です。本当にありがとうございます。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 続編すごく嬉しいです！それとごめんなさい、評価10を押そうとしたら9押しちゃいました....本当に申し訳ありません！！！ (2021年8月25日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年8月24日 19時
