平行線が123つ ページ29
皆がウォータースライダーに行っている間に、私はメグの両手を握って水の中に体を沈めていた。
「何がそんなに怖いのよ」
「浮く筈なのに水のせいで体重たくなるこの現象」
「今すっごい馬鹿っぽかった」
水には水圧、浮力、抵抗力の3つの力が作用スるから、体が軽い筈なのに抵抗力が働いて動きにくいのは有名な話だ。
「取り敢えず、顔付けてみようか」
私はメグをじっと見つめる。この顔は去年見た。同棲大丈夫なんだから早うやれという顔だ。仕方無く、一瞬だけ水に顔を付ける。
「…冷たい」
「温泉じゃないんだから」
寧ろ温泉なら顔を水に付けられると思ってるのだろうか。
「次、頭まで」
「溺れる」
「手ぇ握ってるので溺れません」
メグはまた同じ顔をした。彼女の手をぎゅっと握り直して、また水の中に沈んでいく。ぶくぶくと空気がぬける音がした。
「はいよく出来ました」
顔を上げるとメグが呆れながらもしっかり褒めてくれた。
「アンタ、対面以外のスキルは備わってるのにどうして水が駄目なの」
「多分、私より悠馬に聞いた方が良いよ」
彼は私より私の事を知っている。
それから、ちょっとずつウォータースライダーの方へ歩いていく頃には大分水にも慣れてきた。これならもう、普通に楽しめそうだ。
「いける気がする」
「それは良かった」
「メグが居れば」
「はいはい」
適当にあしらわれた。
そんな会話をしていたら、皆ウォータースライダーから楽しそうに滑り降りてくる。私達はその衝撃波が来ない所に居たけれど、メグの大きな声が皆を気付かせた。
「凄いな、彼処から歩いて来たのか」
「順応力が凄まじいので」
「自分で言うのね」
折角、この前紫音と水着を買いに行ったから私だって楽しみたいのだ。
「じゃあ流れるプール行く？浮き輪とか借りられるよ」
石島の一言で全員が頷いた。行った事が無いから知らなかったけれど、このレジャー施設は浮き輪や水鉄砲などをレンタル出来るらしい。
「やろーやろー！Aに水掛けまくろう！」
「命中率は私の方が高いよ、きっと」
紫音に合わせて私も声を張り上げた。楽しみだねー、と志倉がはしゃぎながらレンタルスペースへと向かっていく。
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詩季(プロフ) - のらさん» コメントありがとうございます。更新は、また停止すると思いますが、時間がある時に書いていこうと思います。ねじれの位置は平行線と対照的に、夢主の感情が後ろに向いている気がします。だから切なくなってしまうのかもしれませんね。 (2021年8月27日 20時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 更新が再開されて嬉しいです。時々ねじれの位置も読み直しますが、毎度なぜか切ない気持ちになるくらいには好きな作品です。応援してます^^* (2021年8月27日 0時) (レス) id: bbe0e38a06 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そう言ってもらえて嬉しいです...！ありがとうございます！ (2021年8月26日 10時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 此方こそ、続編にいかせてもらいありがとうございます。寧ろ評価して下さりありがとうございます。この作品は特に評価を気にしていないので、手間をかけてくださるだけで十分です。本当にありがとうございます。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 続編すごく嬉しいです！それとごめんなさい、評価10を押そうとしたら9押しちゃいました....本当に申し訳ありません！！！ (2021年8月25日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年8月24日 19時
