平行線が106つ ページ12
勉強会がだらけて終わる頃には陽も沈んでいて、丁度良く陽斗のお母さんがご飯の合図をくれた。それに合わせて私達がリビングに行くと、ご飯の優しい匂いが一瞬にして空気を囲う。
「エビフライ！」
私の目が輝くのも一瞬だった。
「良かった、Aちゃんは絶対好きだと思って」
「だってよ子供舌」
「良かったね、幼馴染が可愛げのある子で」
「可愛げがある幼馴染は存在した事ねーな、毒ばっか吐く奴は居るけど」
「この可愛さが分からないのにタラシやってるの？逆に心配」
「なーかーよーく」
いつも通りの悠馬の注意に合わせて、2人してはーい、と声を揃えた。テーブルに付いている椅子に座ると、なおさら食欲が増す。
「あ、待って写真撮っても良いですか？」
「どーぞどーぞ、寧ろ今日は気合い入ってるから撮って！」
お母さんにも許可を取って私はスマホの中に写真を収める。出来栄えを確認してから薄く笑った。
「誰に送るの？」
悠馬はいつも通りの笑顔で私に尋ねてくる。誰かに送るなんて一言も言っていないのに、相変わらず鋭い奴だ。
「翼さん、陽斗のお母さんのご飯美味しいんだよーって言ったら写真撮ってきてって」
「そっか、ミッション成功だな」
「うん！やれば出来る子」
ニッと笑えば隣に居る悠馬は頭を撫でてくれる。いつもの呆れのため息もセットで聞こえた。
「さ、食べましょ！」
お母さんの号令に合わせて私達は手を合わせる。
「いただきます！」
全員で声を出してすぐ、私は大皿に盛られたエビフライを取った。それから隣に置いてあるお母さん特製のタルタルソースを掛けて、食べる。
「美味しい！サクサクッ！」
「ホント？良かったぁ」
私がつい零してしまった感想を律儀に受け取ってくれた。何度も頷いて、エビフライをもう1つ摘む。
「何、チートデイ？」
「私そんなにダイエットとかしてない」
「毎日お菓子食ってるしな」
「美味しい物は食べれる時に食べなきゃ可哀想でしょ」
「誰が？」
「私が」
「お前、なんでそんなに食べてるのに背に加算されないの？」
「馬鹿にしてる？」
「仲良くしなさい」
「はぁーい」
最近の子は特に細い。聞けば食べたい物を食べずにダイエットしているらしい。私には考えられない行為だ。悠馬も陽斗も、ダイエットとは無縁の星に生きているから、私も気にせずパクパク食べる事にする。
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詩季(プロフ) - のらさん» コメントありがとうございます。更新は、また停止すると思いますが、時間がある時に書いていこうと思います。ねじれの位置は平行線と対照的に、夢主の感情が後ろに向いている気がします。だから切なくなってしまうのかもしれませんね。 (2021年8月27日 20時) (
レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 更新が再開されて嬉しいです。時々ねじれの位置も読み直しますが、毎度なぜか切ない気持ちになるくらいには好きな作品です。応援してます^^* (2021年8月27日 0時) (レス) id: bbe0e38a06 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そう言ってもらえて嬉しいです...！ありがとうございます！ (2021年8月26日 10時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 此方こそ、続編にいかせてもらいありがとうございます。寧ろ評価して下さりありがとうございます。この作品は特に評価を気にしていないので、手間をかけてくださるだけで十分です。本当にありがとうございます。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 続編すごく嬉しいです！それとごめんなさい、評価10を押そうとしたら9押しちゃいました....本当に申し訳ありません！！！ (2021年8月25日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2021年8月24日 19時
