平行線が94つ ページ48
次の日、相変わらずギリギリの時間に学校に行くと隣の席でにこやかに愛想を振りまいている男が居た。
「おはよう、昨日は大変だったね」
「…はよ」
「俺も訳も分からず先生に呼ばれた」
「ご迷惑をお掛けしました」
「Aちゃんは何もしてないでしょ」
「あ、バレた？」
鞄を置きながら雑談をするのも、日常となっている。筆記用具とお菓子の確認をしている間にツラツラと話してくるのはいつもの事だ。
「言いたい事があるなら俺に直接いえば良いのに」
「モテ男の考えは違うね」
いつもより1人足りない雑談は何処か寂しかった。
昼休み、当然の様に私が1人でご飯を食べようとしていたら、今日も横にちょこんと結っている少女が机の前に来た。
「弁明の余地、あります？」
声のトーンはまともだが、セリフはまともでない。このテンション感で全てを許してしまいそうな気がした。
「弁明の余地、無いって言ったらどうすんの？」
「情状酌量の余地があるか聞く」
「ふはっ」
つい笑ってしまった。
「何方の余地もありませんどーぞ」
「失礼しまーす」
いつも来る席を指差すとサイドテールの彼女、紫音は珍しくお弁当を持って腰掛けた。周りは自分達の話に夢中で此方の事なんて何も気にしていない。
「何から話せば良い物なのか分からないので結論から言いますね」
「どーぞ」
トマトを頬張りながら私は紫音の敬語を聞き入れる。何故か石島も会話に参加してきた。必要なのかと一瞬考えたが、1番の被害者は彼な事を思い出してスルーする。
「私が、磯貝君と繋がってた」
沈黙、沈黙、沈黙。
「は？」
紫音は言っちゃったーみたいなテンションで照れながらお弁当に入っているコロッケを食べ始める。冷凍ではない、ちゃんとした奴だ。
「最初に手紙が入れられてた時、磯貝君が回収してたじゃない？」
「あ〜ね」
「それがずっと不思議でさぁ、カマ掛けてみたらやっぱり付き合ってるって言うから」
「はぁ？」
「そう、だから私も磯貝君に協力しようと思って」
「はぁ？」
「姫香とも仲良く出来てたし、演劇部のど根性って所よ！」
「はぁ？」
何を言っているのかさっぱり分からなかった。否、分かりたくなかった。
「つまり、Aちゃんに手紙が来ていた時点で本橋さんも誰がやったか分かってたって事？」
「そゆこと」
呆れて声が出ない。私には一切そんな事言ってくれなかった。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
