平行線が91つ ページ45
私達が保健室にいる間に事態はそこそこ大事になっていたらしく、嘘も本当も飛び交っていた。
逃げた先が保健室だったから、突き落とされた時に怪我をしたのだとか。そもそも突き落とそうとしたのは私で、姫香が逃げたらこうなっただとか。
そんな事よりも1番メグが大きな声を上げたのは「磯貝悠馬と小野寺Aは付き合っている」という噂だった。
竹林が保健室まで来た時にはもう5限のチャイムが鳴っていたけれど、この騒動で全クラスが自習となってしまったらしい。本当に申し訳無い。
「で、どうするの磯貝君達は」
一通り説明を終えた竹林が私と悠馬を交互に見て尋ねる。
「どうするって」
「これからは堂々とAを守れるから、何かあっても別に良くないか？」
「逆に騒ぎになるから！もう磯貝君は黙って」
メグはご立腹らしい。
「だってこの高嶺の花よっ！姫香みたいに文句垂れる奴は絶対居るわ！
「そういう事しても、意味が無いって今回の件で分かっただろ？」
「磯貝君は乙女を舐め過ぎ！」
「え、ごめん」
かなりご立腹である。
「小野寺さんより自分の方が、っていう人が出てくるかもね。そしたら磯貝君にも被害が及ぶ」
竹林は静かにそう言った。
「磯貝君は良いのよ、イケメンだからその辺は上手く出来るでしょ！
問題はAよっ！この繊細ちゃんに何かあったらどうするの！」
「私って繊細かな？」
「なんか上手く纏まる方法があると良いんだけど」
「私って繊細かな？」
「磯貝君は置いておいて、Aがもう少し可愛げあれば良いんだけど」
「私って繊細かな？」
悠馬に頭を撫でられた。誰も否定してくれない。
「案外なんとかなるかもよ」
もう少しで事情聴取の為の先生が此方に来る。だから、悠馬の言葉に頷くしかないのだ。
「さっき藤崎さんと本橋さんに事情聞いてたから時間的にもそろそろ先生来るね」
竹林がそう言葉にすると、現実味が増してきて心の中が不安の黒でいっぱいになる。
「取り敢えず、話せる事は俺から話すから」
悠馬はそう言って私の背中を撫でる。こうやって、結局彼に甘えてしまう醜さも嫌いだ。
トントン、なんてノックの音はしなかった。突如開けられた扉に明らかに動揺を見せて体を硬くしてしまう。足音は男、恐らくうちのクラスの担任の先生だろう。
「小野寺さん、怪我は？」
ほらやっぱり。私は首を振って否定する。
「で、何があったの？」
すぐさま悠馬が外面の表情を作った。
「それが……」
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
