平行線が75つ ページ29
波乱の体育祭も終えて、皆制服に着替えて帰っていく。私も一目散に帰りたかったけれど、メグから残れというお達しがあった為、彼女の委員としての最後の打ち合わせが終わるのを待っていた。
口を覆って欠伸をした拍子に防音効果のある廊下から上履きの足音がする。静かな空間だとこんなに響くのか、と他人事のように思った。
「お待たせ」
「ホントに」
足音の持ち主であるメグが扉から顔を出す。それから私の隣の席である石島の席に座った。
「今日、A宛に変な手紙が来てるって聞いたんだけど」
「……あぁ」
何を言っていなかったのか漸く理解出来た。私の声にその感情が乗っていたのかメグは呆れの溜め息を漏らす。
「別に、変な心配掛けさせたくなかっただけ」
正直この件にメグは一切関係無い。見つかっていなかったら悠馬にも話す気は無かったレベルだ、
「私、アンタの事割と心配してるし、ちゃんと伝えてる筈だけど」
「知ってる」
対人関係においても、それ以外でもメグは何かと私を気に掛けてくれる。申し訳無い気持ちもあるが、そのお節介は割と嬉しかったりする。しかし今回の件は特に関係無いだろう。
「アンタは人を頼らなすぎ、なんでも自分で出来る訳じゃないんだから」
捨てる様に吐かれた言葉を拾い上げる様な面倒はしない。只、床に捨てられた言葉をじっと見つめるだけだ。
「……悠馬は知ってるよ」
「その場に居たからでしょ」
図星な返答に胸が抉れる。言い訳じみた言葉も長い付き合いの彼女には通用しないらしい。
「私も変に介入したい訳じゃないの。只アンタが誰にも言わずに1人で抱え込んでるって考えるのが嫌なの」
普通の友人なら、恐らく此処まで言ってくれないだろう。確かにメグがこれ程過剰に心配してしまう程の事はして来た。私はギュッと唇を結ぶ。
「えぇ…泣かないでよ」
「泣いてない」
涙は1滴も零れてないのに。そんなに泣きそうな顔をしていたのだろうか。
「アンタがあんな子供っぽい手紙に思う事が無いのは分かるけどさ、もし大事になったら嫌だからね」
メグはそう言いながら立ち上がり私の事を抱き締めた。私は小さく頷いて答える。
「分かったんなら宜しい」
そう言ってメグは私の背中を大きく叩き、離れていく。相変わらず力加減を知らない彼女のせいで背中がヒリヒリする。
「そういえば、メグは誰から聞いたの？」
私のふとした疑問にメグは易々と答えてくれた。
「────」
「……は？」
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
