平行線が74つ ページ28
叫び声。喜びからなのか驚きからなのかは分からないし、叫んでいる当人達も分からないだろう。しかし、全員の感情は一緒だ。勝った、兎に角勝ったのだ。
馬の上に座り込んでメグの肩に右手を付く。左手バクバクと煩い心臓を締め付けた。今になって、疲れが出て来た。荒い息を吐いて体を丸まらせる。
「え、ちょっ…平気？」
「ゲホッ……うっ、ケホケホッ」
頷こうとするが咳が先に出て上手くいかなかった。取り敢えず此処から降りなければ、と少ない酸素の中思考を巡らせる。
「よっ……と」
どうしようかと考えている中、急に脇を誰かに触れられて浮遊感を感じる。
「砂が入るから口を覆って」
聞こえた指示に従い、咄嗟に口を塞ぐ。暫くすると咳も収まり、酸素が脳味噌まで行き届く。顔を上げて分かりきっては居るが一応目の前に居る人物を確認する。
「大丈夫か？」
「平気」
当然のように居る黒髪の委員長、磯貝悠馬はそれだけ確認するとすぐに遠くへ行ってしまった。これ以上此処に居て、怪しまれる事を防ぎたいのだろう。
「A立てる？」
「無理」
「でしょうね」
持久力という物が全くない私には15分以上も緊張状態である騎馬戦はかなり堪える。メグは私の身体を背中に乗せてフィールドから出て行く。
「ありがと」
「どういたしまして、女王様」
「その呼ばれ方懐かしいな」
メグも疲れているのに、なんて言葉は心の中に留めておく。それを口にしてしまった瞬間、罪悪感で潰れてしまいそうだ。
「そういえば、アンタを大将に推薦したの磯貝君なんだよ」
「……はぁ？」
意外な名前に目を細める。
「3年を大将にするのは辞めようってなってね、なら1年に良いのが居ますって磯貝君がアンタの名前をあげたのよ」
「……へぇ」
確かに、彼は歴史も好きだ。もしかしたら私と同じで源義経を思い出したのかもしれない。戦いの目玉にするには足りない事だらけだが、その方が敵にマークされにくい。相変わらず、彼の頭脳は侮れない。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
