平行線が70つ ページ24
悠馬が守ってくれていたのだと改めて実感する。誰も居ない昇降口の影でアイスだけが溶ける音を奏でる。ポタリ、透明な液体が床に落ちた所でハッとしてゆっくりと立ち上がった。此処に居ても仕方が無い。取り敢えず、今日の体育祭に勝ってから考えよう。
私は下駄箱に入っていたルーズリーフを持ってから靴を履き替えて、棒状のアイスを口に咥えながらグラウンドに戻っていく。
何事も無かったかの様に、チアガールの服をした少女と学ランを身に纏った少女が話をしていた。
「あ、A居た！」
「アイス食べてる！いーなぁ」
メグと紫音はそれぞれ思いの言葉を並べて私に近付く。私がアイスを紫音の方に向けるパクリ、と1口分のアイスを奪い取った。
「A、騎馬戦出てくれない？」
「何？馬増えそうなの」
今の状況だと馬が増える見込みは無いと思っていたが、私が居ない間に戦況は変わったのだろうか。
「逆よ、減りそうだから強い奴を学年問わず集める事になったの」
曰く、3年の思い出は騎馬戦に出る事よりも戦に勝つ事の方が嬉しいらしい。なるほど、私は首を縦に振った。
「下はメグがやるんでしょ？」
「勿論」
知らない人よりはメグが下で私の足になってくれた方が断然良い。私はグラウンドの中央で勝つ気配が無い白団を見て溜め息を吐いた。
「紫音は出ないの？」
「私はこういうのてんで駄目だよ」
彼女は首を左右に振った。確かに、彼女に特段に運動神経が良いという意識を持った事は無い。普通位である。
「今の差は10騎位、かなり危ないわね」
メグの発言を聞いて目を大きく開いた。その差の開き方も以上だが、1つ気になる事があった
「石島負けたの？」
「負けたよ、ついでに磯貝君も負けた」
「えっ…うそ！」
それは見たかった。
メグは私の反応を見て何を思ったのか察したらしく首を左右に振って呆れを示した。あの磯貝悠馬が負けるなんて、面白すぎるでしょう。
「本人は爽やかに笑ってらしたけどねー」
紫音も負けた悠馬と話したらしく、ケタケタと笑いながら報告してくれた。
「あれでいて本心は負けた相手に殺意を抱くタイプだから怖いよね」
事実か冗談なのかは敢えて言わない。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
