平行線が65つ ページ19
午前の競技は終わり、私が出場する物は残す所、午後1番にやる応援合戦と全員参加の大縄跳びだけである。昼休み中にクラスTシャツを脱いでスカートに履き替えておいた。
それから私が向かったのはいつぞやにメグに連れ出された屋上と4階を繋ぐ階段だ。理由は簡単、1人になりたかったから。
持っている物は3枚のルーズリーフ。それぞれ文字を綴った者は違う。
私はまず最初に悠馬から貰った今日の手紙を読む。内容はいつも通り当たり障りの無い物で、今日の体育祭の話とか、昨日あった事などだ。思わず笑みが零れてしまう。
それからもう1枚、今朝下駄箱に入っていた方のルーズリーフを開く。
『石島君に近付かないで。
これ以上は容赦しない』
可愛らしい女の子の字で綴られている言葉は狂気に満ちていた。しかも何故か赤色のボールペン。手が込んである。面倒臭すぎて溜め息が漏れる。
「A」
瞬き。聞こえて来た声に気付いて顔を上げる。それから開いていたルーズリーフを閉じて悠馬から貰った方を上に置いた。
「どしたの」
応援合戦用の学ランを着ている噂のイケメン、磯貝悠馬は私の隣まで登って来る。それから私の手元にある物に目を移して薄く笑った。
「教室に行ったら居なかったからさ」
「何しに来たの？」
「片岡と打ち合わせ」
「あぁ」
私は唸り声を上げて悠馬が書いたルーズリーフに目線を降ろす。相も変わらず綺麗な字で書いてある。私は字が綺麗な訳では無いから羨ましい。
「はいこれ」
私は持っていた3枚目のルーズリーフを悠馬に渡した。ありがとう、そう言って彼は早速その紙を開く。私が書いたのも当たり障りの無い普通の事だ。
読み終わったのか、彼を私と同様笑みを零してからもう1度ありがとう、と言葉を置いた。
「それで、最後の1枚は何？」
悠馬は私が持っているルーズリーフの1枚を指さした。一体彼はいつどのタイミングで私を見ているのだろうか。
「目敏い」
「あはは」
一言ごちてから私は悠馬に赤色のボールペンで書かれている文字の羅列を悠馬に渡す。彼はじっと見つめた後にうん、ありがとう、と3度目のお礼を言った。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 詩季さん» そうですね、せっかくなら暇な時に1話から読み直させていただきます！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます。取り敢えず、話が途中な所は終わらせようと思って其処まで書いてみました。また3日かけて読んで頂けたら幸いです笑笑 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - Rin?^^*さん» ご感想ありがとうございます。停止期間まで読んで頂けるとは、恐縮です。ありがとうございます。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
詩季(プロフ) - あんぶれらさん» ご感想ありがとうございます。平行線は私の趣味100%で書いているので、楽しんで貰えるなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年8月24日 19時) (レス) id: dd9b659291 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者さんが暇なときで構いませんので続編を書いていただけると嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年10月3日 20時
