ねじれの位置が51つ ページ5
脱皮した超生物は、蛍光灯に職種を絡めて暗殺者を睨み付けている。
「脱皮か…そういえばそんな手もあったっけ」
奴のエスケープの隠し技である脱皮をこんなに早く使わせた。そんな殺し屋、今までに自分を殺そうとした潮田渚位だろう。
「でもね殺せんせー、その脱皮にも弱点があるのを知っているよ」
保護者がそう言った直後、堀部イトナはすぐに次の攻撃を始めた。動揺と焦りと殺意、それから恐怖。負の感情がこの教室に入り乱れる事があっただろうか。
そして、彼には再生直後やダイラタント現象にも弱い事、触手の動きが精神状態に大きく左右される事も分かった。
「兄さん、俺はお前より強い」
足が千切れた怪物の再生を待ってからシロは次のラッシュの指示を出す。さぁ、耐えられるかな、なんて。
「…シロさん、この暗殺方法を計画したのは貴方でしょうが…1つ計算に入れ忘れてる事があります」
「ないね、私の性能計算は完璧だから
殺れ、イトナ」
冷たく響く声が体の芯を凍らせる。微かに手が震え始めた。発生源の分からない感情に墓場なんて無い。只自分の中から去って行くのを待つしか無い。
堀部イトナが次の攻撃を超生物に繰り広げる。
刹那。
ドロォ、それは溶け出した。何事だろうなんて考える程頭が悪い訳では無い。対先生ナイフが触手を溶かしたのだ。置いたのはシレッと知らないフリをしている奴が犯人だろう。
「同じ触手なら対先生ナイフが効くのも同じ。
触手を失うと動揺するのも同じです。
でもね、先生の方がちょっとだけ老獪です」
奴はそう言いながら自分が脱ぎ捨てた皮に堀部イトナを包む。次にやる事を察して、私はギュッと体を強ばらせて下を向く。
「A……？」
隣から私を呼ぶ声がする。無意識に、本能的にそれを頼りに手を伸ばしてしまう。グッと引き寄せられた。
次にした音は破壊音。窓を割ったのだ。誰が、堀部イトナを投げたあの超生物が。滲み出る手汗も、震えている事も隣に居る悠馬には気付かれてるのだろう。
「君の足はリングの外についている。
先生の勝ちですねぇ、ルールに照らせば君は死刑。もう二度と先生を殺れませんねぇ」
舐めきったその声色が、冷たく体に染み込んで嘲笑った。
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Rion - これからも陰ながら応援し続けさせて頂きます！！ (2020年3月14日 9時) (
レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion_ - ねじれの位置が88つ。のお話のカルマ君のセリフの1部である「気絶する程度の触手は喰らうけど」というセリフが「気絶すふ」になっていました。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion - とても、楽しく読ませて頂いております！！読んでいて、1部誤字と思われる箇所を発見いたしましたのでお節介かもしれませんがお伝えさせていただきます。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年2月23日 2時
