ねじれの位置が86つ ページ40
「悠馬！！！」
遠くから見えた黒髪に思わず叫んだ。振り返って微笑むカレを見て安心する。彼の元まで走って行き、荒い息を整えようと胸元に手を当てて前屈みになった。
「落ち着けA、皆無事だから」
背中を撫でながら深呼吸を促す彼に従って大きめに息を吐く。何とか顔を上げて悠馬と対面する。
「心配した」
「ごめん、ありがとう」
そう言いつつも視界の隅に入った岩場の下を見つめる。其処には堀部イトナとシロと怪物だった。
「どうなってるの？」
「さぁ…？」
首を傾げた悠馬。恐らく彼は…彼らはこの2人が新犯人だという事にすら気付いていないのかもしれない。
「寺坂が持ってた銃が皆が持ってる奴とはちがった。多分、あの2人から支給されたセンサー銃だ」
「じゃあ、寺坂がそれを撃ってプール壊したのかよ」
陽斗が若干怒り気味で尋ねて来るが、私は首を振って否定を表す。
「寺坂も知らなかった。多分皆シロに騙されたんだよ」
私の推測を告げると、水を打った様に静かになってしまった。
「なるほどねぇ、それはちと厄介だね」
中村が空気を読んで明るい声を出す。しかし頷いたのは私だけだった。
下では乱闘が続く。水を吸って大きくなった怪物の体は心臓を破壊するのも時間の問題らしく、シロは誇らしげに笑っていた。
「水だけのせいじゃねー」
彼奴、来たんだ。この場に来た寺坂を見て少し驚いた。嫌な事からすぐ逃げ出す彼が来る事は無いと思っていた。
「力を発揮出来ねーのはお前らを助けたからよ。見ろ、タコの頭上」
言われるがまま其方に目を向けると村松と原が変な所に居た。特に原が今にも落ちそうな木にしがみついていた。
「彼奴らの安全に気を配っるからなお一層集中できない。あのシロなら其処まで計算してるだろうさ、恐ろしい奴だよ」
寺坂がのうのうと解説している間にも自体は深刻化する。
「お前、本当に今回の事全部奴等に操られてたのかよ！？」
陽斗の問いに寺坂は鼻で笑って答えた。
「あーそうだよ、目標もビジョンもねぇ短絡的な奴は頭の良い奴に操られる運命なんだよ」
よくご存知で。やっと自分の立場が理解出来る様になったらしい。
「だがよ、操られる相手位は選びてぇ。
奴等は懲り懲りだ。賞金持ってかれるのもやっぱり気に入らねぇ」
そう叫ぶ寺坂の目の色は変わっていた。真を持っていて綺麗だ。
「だからカルマ！小野寺！
テメーらが俺を操ってみろや」
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Rion - これからも陰ながら応援し続けさせて頂きます！！ (2020年3月14日 9時) (
レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion_ - ねじれの位置が88つ。のお話のカルマ君のセリフの1部である「気絶する程度の触手は喰らうけど」というセリフが「気絶すふ」になっていました。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion - とても、楽しく読ませて頂いております！！読んでいて、1部誤字と思われる箇所を発見いたしましたのでお節介かもしれませんがお伝えさせていただきます。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年2月23日 2時
