ねじれの位置が83つ ページ37
次の日、寺坂竜馬は学校に来ていなかった。居づらいという感情が彼の中にもあったらしい。
然し生徒が気になる所は其処では無い。超生物ことタコがずっと涙を流しているのだ。
「何よ、さっきから意味も無く涙流して」
全員が気になっていた事をビッチ先生がやっと聞いてくれた。
「いいえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です。目はこっち」
そう言いながら奴は触手でそれぞれの位置を教える。紛らわしいし、汚らしい。
「どうも昨日から体の様子が変です。夏風邪ですかねぇ…」
「動物外にも風邪とかいう概念あんの？」
「さぁ？」
怪物の目に見えない所でそう呟くと陽斗は首を傾げた。誰も知らない様だ。諦めて廊の方に目をやると、見た事ある図体が動く。
「あれ、来てんじゃん」
私の声に悠馬と陽斗は顔を上げた。
「おお寺坂君！今日は登校しないかと心配でした！！昨日君がキレた事ならご心配なく！！
もう皆気にしてませんよ！ね？ね？」
「キッショ」
「そんな言葉使っちゃいけません」
「不快に感じます」
顔が怪物の鼻水塗れになっていく寺坂は鋭い瞳で睨み付けた後に怪物のネクタイで顔を拭いた。
「おいタコ、そろそろ本気でブッ殺してやンよ。
放課後プールへ来い、弱点なんだってな水が。
テメーらも全員手伝え！俺が此奴を水ん中に叩き落としてやッからよ！！」
沈黙。
「…寺坂、お前ずっと皆の暗殺には協力して来なかったよな。
それをいきなりお前の都合で命令されて皆が皆ハイやりますって言うと思うか？」
代表して陽斗が思ってる事を言った。その通り、人を動かすにはそれなりの苦労を要する。寺坂にその人望があるとは思えなかった。
「ケッ別に良いぜ来なくても。
そん時ゃ俺が賞金100億独り占めだ」
そう言って彼は教室を去って行った。仲良かった2人も呆れの声を漏らしている。
「私行かな〜い」
「同じく」
「俺も今回はパスかな」
全員が自分の意思で降りる事を決意した。
しかし、それを揺るがすタコが1匹。
「皆行きましょうよぉ、寺坂君が私を殺る気になったんです。
皆で一緒に暗殺して気持ち良く仲直りです」
「まずアンタが気持ち悪い！！」
その垂れた鼻水、誰が掃除すんの？
寺坂が考える暗殺は興味がある。
けど計画性の''け''の字も無い彼奴に何が出来るのか見当も付かないし、急に殺る気になったのにも違和感を覚える。
しかし、私は暗殺関連にはノータッチを決めているので口を挟めないのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rion - これからも陰ながら応援し続けさせて頂きます！！ (2020年3月14日 9時) (
レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion_ - ねじれの位置が88つ。のお話のカルマ君のセリフの1部である「気絶する程度の触手は喰らうけど」というセリフが「気絶すふ」になっていました。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion - とても、楽しく読ませて頂いております！！読んでいて、1部誤字と思われる箇所を発見いたしましたのでお節介かもしれませんがお伝えさせていただきます。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年2月23日 2時
