ねじれの位置が80つ ページ34
タコ型超生物が、水に入れるのかどうか。
それは彼らが頑張る暗殺の中では重要ポイントである。
渚が彼に水に入る事を勧めると躊躇無く入っていく。3人が驚きの顔を見せるが、この超生物はそんなに甘くない。
あの怪物はきっと馬鹿なのだろう。
マッハ水泳にも耐えられる完全防水の水着、という建前の魚。白目を向いて呆れる渚と肩を竦めるカエデ。気持ちは察する。
「数々の秘泳法をご覧あれ」
そう言って奴は鰭を動かした。タコなのか魚なのかよく分かんなくなって来た。
しかし、彼がヤバい事には変わりない。
''セルフ流れるプール''なんて銘打って大きな竜巻を作る。勿論田川心菜は流されるのであった。私も巻き込まれたくない為足を引っ込める。
「心菜慌てない！！端っこの方は、 大した流れじゃないから！」
メグはそう言いながら彼女へ指導を始めた。
「掌に負荷を感じながらテンポ良く！
海では自分の位置が分からなくなり易いから時々平泳ぎに切り替えて確認して、またクロールに戻る！」
流石だなぁ、なんて遠目から見ていた。
しかし渚達の方を佳境に入っている。彼処は生身で水に入れるかを知りたいのだ。抗議をする2人を見て、あの怪物は水着を捨てた。
「水に…生身で入ってる？」
カエデが驚きの声を上げる。
「いや、違う」
私は小さく声に出した。2人が此方を見る。
「マッハで周りの水を掻き出してる」
一生懸命な其奴を見て鼻で笑ってしまった。阿呆過ぎる。というか必死過ぎる。
「な、何これ！！波はこっち来てんのに引き摺り込まれる！」
タコの泳ぎが変われば波の形も変わる。離岸流と言って岸に反射して沖に出ていく流れを出す波だった気がする。
「そういう時は無理に岸に向かわずに岸と平行に泳いで流れから抜ける。とにかく絶対にパニックにならない事！」
底抜けに優しいメグはこんな奴にも丁寧教えていた。こうして、地獄のナイトプールは始まったのだ。
δ
「それにしてもちょっと意外、Aがこういうのに付き合うなんて」
無事に田川心菜を家に帰した後、カエデは楽しそうにそう言った。
「別に、好きで此処に居た訳じゃない」
私はそんな彼女から目を逸らして歩き出した。渚もカエデもメグも不思議そうに足を止めるからわざとらしく溜め息をする。
「知りもしない屑にメグを取られたくないだけ」
後ろから笑い声が聞こえて来たのは言うまでもない。
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Rion - これからも陰ながら応援し続けさせて頂きます！！ (2020年3月14日 9時) (
レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion_ - ねじれの位置が88つ。のお話のカルマ君のセリフの1部である「気絶する程度の触手は喰らうけど」というセリフが「気絶すふ」になっていました。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
Rion - とても、楽しく読ませて頂いております！！読んでいて、1部誤字と思われる箇所を発見いたしましたのでお節介かもしれませんがお伝えさせていただきます。 (2020年3月14日 9時) (レス) id: 4744658c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩季 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/sa1son_i25
作成日時：2020年2月23日 2時
